Archive for 2009年10月

速水御舟の緻密で細やかな作品が好きになる

10月 31, 2009

<平日なのに盛況な美術館>
2009/10/27(火)にはさらによいお天気に誘われて、さらに恵比寿まで足を伸ばしました。
目当ては、山種美術館で開催されている「速水御舟-日本画への挑戦」展です。
表参道駅から銀座線で渋谷へ行き、そこで山手線に乗り換えて恵比寿まで行きました。

恵比寿駅からは、山種美術館までは徒歩で向かいました。
このころには、昼過ぎになり日も高く上がり、とても暖かくなっていました。
額に少々、汗を浮かべながら10分程度歩いていると、ちいさな公民館のような建物を発見、そこが山種美術館でした。
改装したて、と聞いていたので「さぞかし立派な建物なんだろう」と勝手に想像していたので、ちょっと小さいその姿に拍子抜けしてしまいました。

しかし、中に入ってみるとさすがの改装後、黒を基調にした落ち着いた内装でとてもキレイでした。
そして、MoMA Design Storeとは異なり、平日にもかかわらず人もかなり多かったです。
とくに日本画の展覧会ということもあり、高齢者方がとても多かったためだと思います。

ちなみ、会場へ行くまで速水御舟を「はやみおんしゅう」と私は読んでいました。
が、ただしくは、

「はやみぎょしゅう」

と読みます。お間違いなく。

<妖艶な魅力を放つ絵画>
速水御舟はとても探究心の強い方だったようです。
日本画への挑戦というタイトルのとおり、その作品の調子からも日本画へ洋画の要素に取り込もうとする姿勢が感じ取れます。
また、作品の主題も古典的な話から、植物、さらに人物などと、作家の時代とともに変化しています。
この点にも現状に満足しない速水御舟の探究心を感じることができます。

私がこの展覧会で特に印象に残ったのは、

・『炎舞』

・『暗香』

2つの作品です。
『炎舞』は、現在の山種美術館のホームページでもトップのFLASHに使用されており、観ることができます。
FLASHを観ただけでも、その魅力を感じることができますが、実物はさらに妖艶な雰囲気を放ち、魅力的な作品です。
黒い背景の中心に描かれた炎をみていると、自分も作品のなかの蛾になったかように、吸い込まれそうになります。
そして、炎のまわりに描かれた蛾たちの色彩も淡く、美しいです。

もう1つの『暗香』は、黒の背景に淡い色彩で梅の花が描かれている作品です。
静かな雰囲気の作品ですが、ずっと見つめていると暗闇の中から梅の香りがほのかに漂ってくるかのようでした。

このほかにも、屏風絵などの大きな作品も数多く展示されていました。
が、個人的には掛け軸など小さな作品で、緻密に描かれた作品の美しさに目が奪われました。

<美術館・展覧会めぐりの旅_2日目・終了>
2009/10/27(火)は、美術館・展覧会めぐりの旅の2日目として、MoMA Design Storeと山種美術館を回りました。
移動した距離も、使用した時間もそれほど多くないのですが、久々に美術館をはしごしたためか、妙に疲れてしまいました。
とはいえ、現代アートと日本画という伝統的な芸術に1日で触れることができたことに満足し、帰路に着きました。

【会場情報】
◆山種美術館
http://www.yamatane-museum.or.jp/
◆TAB-「速水御舟 -日本画への挑戦-」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/3A2C

【作家情報】
◆速水御舟(はやみ・ぎょしゅう)
・テレビ東京-『美の巨人たち-速水御舟「炎舞」』
・google-”速水御舟”による画像検索結果

【次の予定】
◆ハラミュージアム アーク
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html

◆TAB-「季をめぐる」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/D19C

◆TAB-「日本の現代美術はおもしろい」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/4B03

「Detour」を観てモレスキンがほしくなる

10月 31, 2009

<快晴の表参道を気持ちよく散歩する>
2009/10/27(火)には、美術館・展覧会めぐりの2日目として、表参道にあるMoMA Design Storeへ行きました。
目当ては、世界の「Detour」という企画の展示を観ることです。
昨日とは、打って変わって快晴。
風は少々、強かったですが肌寒い、ということもなく絶好のお出かけ日よりでした。

さて、表参道というと私のような庶民には敷居も高く、おしゃれすぎる、という印象があります。
右を向いても、左を向いても、きらびやか。
男性もおしゃれ、女性もおしゃれ。
かっこよくて、かわいい人たちばかり。
見慣れたトヨタのハイエースが走っていてもおしゃれに見えてしまいます。

上京しても垢抜けないなぁ、と悩んでいる人も、目いっぱいのおしゃれをして一度、この街を歩きましょう。
一発で垢抜けられるます。きっと。

MoMA Design Storeは千代田線、副都心線の明治神宮前駅の4番出口、もしくは銀座線、半蔵門線の表参道駅A1出口が近いです。
両方の駅ともに出口をはずすと、結構、歩くことになります。
まぁ、天気がよい日は、それもいいかもしれませんね。

ちなみにMoMA Design Storeの入っているビルの1階には、天下のBVLGARIが店舗として入っています。
ビビらずに、平常心を保ってビルに入り、3階を目指してください。

<触っていいの!?>
私がお店に行ったのが開店時間の直後ということもあってか、お店はには人がほとんどいませんでした。
当然、「Detour」の企画が行われているブースにもほとんど人はおらず、ブースを独り占めできました。
ブースの入り口には、白い手袋が置いてありました。
この企画は、世界各国のアーティスト、デザイナー、建築家、音楽家が思い思いに使用したMOLESKINEと呼ばれるメモ帳、ノートを、直接触って鑑賞できるのです。
入り口の白い手袋は、メモ帳やノートを触る際に、手にはめるものなわけです。
この作品を手に取れる、という感覚はやはりとても貴重です。
しかも、昨日の「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展(以下、「THE OUTLINE」展と略します。)では、普段、手に取れる家電や雑貨が手に取れないという状況を味わったので、この世に2つとないアーティストのメモ帳が手に取れる、
ということがとても感動的でした。
この企画にさまざまなアーティストが参加していますが、とりわけ私の印象に残ったのは以下の人たちのメモ帳です。

◆深沢直人のメモには「THE OUTLINE」展の裏側が
上記の「THE OUTLINE」展についての企画メモがたくさん見ることができました。
とてもタイムリーな内容だったためおもわず目を奪われ、昨日の展覧会でみた内容をみつけてニヤリ、としてしまいました。
「THE OUTLINE」展に足を運ばれた方には、合わせて観ていただきたい、と思います。

◆原研哉のメモはひらけない
これは、おそらく、なのですが、原研哉のメモは開けませんでした。
MOLESKINEの特徴の1つであるゴムのバンドのつき方が改造されていて、開こうと思って開けませんでした。
いたずら心、というやつでしょうか。

◆ジョセッペ・アマートのメモはまさに芸術家という印象
これぞ、芸術家のノート、といった印象を受けました。
きちんと整理され、文字だけでなくイラストも随所に見られました。
私は、芸術家とは複雑な概念や考え、感情に、自分なりの筋道をつけて整理し、表現する人、というイメージを持っています。
このジョセッペ・アマートのメモは、私の芸術家のイメージとぴったり重なるものでした。
自分のアイデアを乱暴にメモするのではなく、TODOやスケジュールを含めて、整理された状態で書き付けられています。
イラストなども緻密なものが多く、このメモだけがまるで作品のように完成されたものに、私の目に映りました。

◆ヨープ・ファン・リースハウトはメモをメモとして使わない
メモがまるでカマキリの卵に包まれたようになっている作品でした。
メモに何かを書き込んだり、切り抜いたりして表現するのではなく、メモをメモとして使用していません。
むしろ、紙としてすら使用せずに、自分の作品に取り込んで表現していました。
独特な手触りと形状にびっくりさせられる作品です。

<MOLESKINEがとってもほしくなる!>
この企画の作品が手に取れるという点にとても大きな驚きを感じました。
しかし、それ以上に、MOLESKINEのブランド戦略、販売戦略のうまさに感心してしまいました。
MOLESKINEは、その昔からピカソやヘミングウェイ、チャトウィンなど、世界に名だたる芸術家が愛用していたことを前面に売りにしています。
おそらくいままで、MOLESKINEを購入していた人たちは、その芸術家たちが使用していた、という事実に憧憬を感じたり、その芸術家を尊敬して少しでも近づきたい、と思ったりしている人たちなのではないでしょうか。
そして、この企画は、そのような芸術家を尊敬し、憧れをもつ人たちをもろ刺激します。
実際に現代のアーティストたちがMOLESKINEのメモ、ノートを使って表現している作品を見せられると、

「MOLESKINEのメモをつかえば、このアーティストたちと同じ質の創作ができる」
「未知の霊感を得て創作ができる」

と思わせてしまう、力があるのです。
この企画は、MOLESKINEの優れたブラント戦略と販売戦略が目の当たりにできる、という視点から見ても面白いと思います。

【会場情報】
◆MoMA Design Store
http://www.momastore.jp/
◆TAB-「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/0CE9

【作家情報】
◆深沢直人
以下で作品、製品が観られます。
・21_21 DESIGN SIGHT-「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展

◆原研哉
以下で経歴、作品が観られます。
・日本デザインセンター 原デザイン研究所

◆ジョセッペ・アマート
日本語のwebページがほとんどなく、ならば英語、と思ったのですが、綴りがわからず。。。
・マイコミジャーナル-『世界中のクリエイターが敬愛する良質の文具やアイテムたち』

◆ヨープ・ファン・リースハウト
日本語のwebページがほとんどなく、ならば英語(以下、略。。。)
・マイコミジャーナル-『世界中のクリエイターが敬愛する良質の文具やアイテムたち』

【次の予定】
◆「速水御舟-日本画への挑戦-」展
・山種美術館
http://www.yamatane-museum.or.jp/
◆TAB-「速水御舟 -日本画への挑戦-」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/3A2C

「THE OUTLINE」展でオーブントースターがほしくなる

10月 31, 2009

<雨に煙る21_21 DESIGN SIGHT>

夏休みを利用した美術館・展覧会めぐりの旅、第1日目の2009/10/26(月)に足を運んだのは21_21 DESIGH SIGHT(以下、21_21とします)です。

21_21は、六本木において六本木ヒルズとならぶ商業施設、東京ミッドタウンに併設されています。
当日は、乃木坂駅から国立新美術館のなかを通り抜け、21_21を目指しました。
すでに1度、21_21には訪れたことがあるので、迷うことなく10分程度で到着しました。
が、その日は雨。
打ちつけるような、というほど強くありませんでしたが、21_21へ向かう道のりだけで靴の中までぐしょぐしょにぬれてしまいました。

そして、雨のせいもあってか、21_21の周りは人影もまばらでした。
以前、この「骨」展でここを訪れた際には、多くの人がビニールシートを敷いて談笑していたのですが、当然、そんな人はいませんでした。
が、館内は雨だというのに多くに人がいました。
もちろん、ごった返すというほどではありませんし、展示物もゆっくりと見て回れました。
しかし、雨ということと古典的な芸術の展覧会でもない展覧会であることを考えると、かなりの人の多さだったと思います。

それは、無印良品や±0をいうにおよばず、数々のプロダクトデザインを生み出してきた深澤直人の人気の高さ、によるものだと思いました。

<つい触りたくなる魅力>

深澤直人はその名前を知らなくても、その作品、デザインを手がけた製品を1度は目にしたことがあるはずです。

たとえば、

・auの携帯端末のINFOBAR
・無印良品で販売されている壁掛け式CDプレイヤー
・±0の加湿器をはじめとした家電・雑貨

などが深澤直人の作品です。
おそらく下記のリンク先の写真を見ていただければ、「あぁ!」と思っていただけると思います。

私も、購入はしませんでしたがインフォバーや±0の加湿器などは店頭で見かけ手にとってみたことがあります。
深沢直人をはじめとして、良くデザインをされたこれらの家電・雑貨などは、

・さわってみたい
・手にとっていじってみたい

と思わせる魅力があります。
が、ここでは店頭と違って「作品」としてそれらの製品が展示されているため、手にとることはできません。
店頭に行けば触ることができるものが、美術館に並べられるだけで「触れない」というのはちょっと滑稽に感じました。
もちろん、展示用に確保したものですので、傷をつけられたり、持ち去られたりすると展示に支障をきたす、などの事情はわかるのですが。

とくに気をつけていただきたいのは、椅子には座れますがほか作品には触れない、という点です。
しかも、すべての椅子に座ったり、触ったりできるわけでもありません。
注意書きをよく読んで、作品と触れ合っていただきたい、と思います。

ちなみに私は、±0から販売予定のオーブントースターを見ていてほしくなってしまいました。
良くデザインをされた製品の魅力は、その製品をつかっているときの心地よさを想像させることだと思います。
トースターを使ってトーストを焼くことを想像し、焼きあがったときになるであろう軽やかな音を想像し、そのトーストの焼けた香りを想像し、
そして、一緒に飲むであろうコーヒーの香りと苦味を想像させる。
その心地よさを想像することで、ついついその製品がほしくなってしまうのです。

<デザインの背景を理解したくなった>
1つの製品のデザインを生み出すためにも、

・今、その製品がどのようにつかわれているか
・新しい使い方はないか
・どのようなデザインで美的な快をあたえるのか

など多数の考えるべきことがあるはずです。
デザイナーは、観察やプロトタイプの作成などによって、多くの考慮すべき点をひとつひとつ消化し、煮詰めてゆくのだと思います。
一堂に会したプロダクトデザインを見たことで、消費者である私たちに「触ってみたい」と思わせるデザインが生み出されるには、

「多くの背景がある」

ということを感じることができました。
そして、デザイン1つ1つが生み出された背景、過程を知りたくなりました。

<終わりに>
今回から、作家、デザイナーの方々の敬称を省くことにしました。
「さん」づけのほうが、個人的な付き合いがあるようで馴れ馴れしく感じること、
さらに、文章においては敬称を省くことのほうが常識に近いかな、と考えたためです。
おそらくないでしょうが、ご本人のお怒りをかうようであれば、訂正させていただきます。笑

※「ULTRA002」の記事を先にアップデートしたために、日付が前後しています。が、これもご愛嬌、ということで。

【会場情報】
◆21_21DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/
◆TAB-「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/0CE9

【作家情報】
◆深沢直人(ふかさわ・なおと)
以下で、作品、製品が観られます。
・au-INFOBAR (※FLASHです)
・無印良品-『壁掛け式CDプレーヤー』
・±0-『オーブントースター』

◆藤井保(ふじい・たもつ)
本文ではぜんぜん触れませんでしたが、この方もとても有名な方です。
以下で、作品が観られます。
・PAXREX-取り扱い作家-藤井保
・AMAZON-『ニライカナイ-藤井保写真集』

【次の予定】
◆Detour
・MoMA Design Store など
http://www.momastore.jp/
◆TAB-「Detour」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/60A8

「ULTRA 002」で現代アートのダイナミズムを実感する

10月 29, 2009

<リベンジ!SPIRAL GARDEN>

夏休みを利用した美術館・展覧会めぐりの旅、第3日目の2009/10/29(木)に足を運んだのは表参道のSPIRAL GARDENです。
ここでは、本日から「EMERGING DIRECTORS ART FAIR ULTRA002」(以下、「ULTRA002」と略します)が開催されています。

実は私、美術館・展覧会めぐりの旅の第2日目、2009/10/27(火)にこのSPIRAL GARDENに訪れておりました。

「ULTRA002」を目当てに。。。orz

当然のことならが2日もフライングをしていたため、会場は準備中。
その代わりとばかりに、MoMA Desing Storeとならんで、1階ホールのスパイラルレコーズ開催されていた「Detour」の作品の一部を鑑賞して、山種美術館へ足を運んでいたのです。

2日もフライングするほど待ち遠しかった企画ですが、足を運ぶにあたって私は少々、緊張気味でした。
というのも、普段の展覧会とは違い、美術品が直接取引される場にもなるという点に、「ちょっと勝手が違いそうだなぁ」と感じていたからです。
しかし、会場へついてみるとそれは杞憂でした。

通常の展覧会とかわらず3階スパイラルホールの入り口で、入場料の1000円を支払うとチケット兼、カタログが購入し、そのまま展示場に入ります。なんら通常の美術館と変わりはありません。

カタログを小脇に抱え、展示場へ入るとすでに来場がポツリ、ポツリと見えます。
とはいえ、基本的には人影はまばら。
私が会場に入ったのが11時半ごろと早かったためでしょうが、ほとんどがギャラリーの関係者で一般の来場者は数えるほどでした。

ちなみこの入場料ですが、どうやら3階のスパイラルホールの展示場へ入場するためにだけ必要なようです。
1階のスパイラルガーデンの展示をみる方は不必要なようです。
が、せっかくなのでカタログを購入して、すべてのギャラリーの作品を観て回ってください。

特に1階のスパイラルガーデンの展示は面白いです。
1階の展示のすぐ横はカフェになっており、カフェのお客さんの話し声、食器の触れ合う音、そして、食事の匂い。
そんな中での芸術鑑賞は、一味違って面白かったです。


<思わず買いたくなってしまう>

私は、この「ULTRA002」に足を運ぶ際には、このイベントで自分がアーティストの作品を購入する、という目的はまったくありませんでした。
また、いままで芸術作品を購入したこともありません。
結果、今回もやはり購入しなかったのですが、

「この作品はほしい!」
「安い!買いたい!」

と思わされる作品がたくさん展示されていました。
実際に価格帯で言えば、私でも購入できる作品がたくさんありました。
以下に、私が特に買いたい、と思った作品の作家さんを紹介します。

本当もっと多くの作家を紹介したいですし、1人1人の作品を細かく紹介したのです。しかし、本当に細かく書いてしまうと、文章が長すぎてよみにくくなってしまいます。このため、できる限り多くの作家を少ない文章で紹介させていただきたい、と思います。
なお、左が作家名、右がディレクター名、ディレクター名の横の括弧の中に書いてあるのがギャラリーの名前です。


◆芳木麻里絵-中山真由美(株式会社レントゲンヴェルケ)

細かで繊細なレースの作品でした。
1つ1つの飾りを見つめていると、その精緻なつくりに目が奪われ、息を呑みました。
最初は、作品はゴムのような素材を細かく掘り込んで作成されたのかな、と思っていたのですが、説明を見るとシルクスクリーンで作成されていました。
その場では、ピンとこなかったので家に帰って調べたところ、下記のURLのような製作風景が観ることができました。
相当、手間のかかる作業によって生み出されている作品のようです。

http://onefloor09.exblog.jp/11930616/

1つ1つの作品がとても手間をかけて作成されていることを知り感心するすると同時に、とても驚かされました。

◆藤井秀全-加藤育子(SPIRAL)
小さな箱がとても綺麗な光を発しているのに目を奪われました。
加えて驚かされたのは、価格です。
なんと、20000円。
私でも購入できそうな価格で、とても綺麗な作品が売られていました。

でも、今から考えると、もしかしたらゼロが1つ増えて200000円だったかもしれません。
そう考えなおさせられるほど、幻想的で温かみのある光を放つ、魅力ある作品でした。
ちなみに、作品にはなんと、

セロハンテープ

が使用されていました。
美しい作品なのに、セロハンテープ。なんとも安っぽい響き、というか。
とはいえ、それがこの作品の凄さなのかもしれません。
何気ない日常で使用されている道具が美しい作品の素材になる、という不思議さとすばらしさが実感できる作品でした。

◆笛田亜希-小暮ともこ(LOWER AKIHABARA)
おもに妖怪をモチーフにしたドローイングでした。
真っ黒の背景に、白いクレヨンで浮かび上がるように描かれる妖怪は、恐ろしさよりは儚さを感じさせます。
脆そうな、そして神秘的な妖怪たちの姿に目を奪われた作品でした。

◆窪田美樹-戸塚憲太郎(hpgrp GALLERY 東京)
はじめてギャラリーの方に話しかけていただき、作品の説明をしていただいた、ということで印象に残りました。
もちろん、雑誌のコピーを使用した作品も印象に残っています。
窪田美樹は、もともと彫刻を主として活動しているそうです。
ギャラリーの方から説明していただいた作品は、雑誌のコピーの上に絵の具の塊を落とし、削り落として作成されているものでした。
雑誌のコピーに原色の絵の具が乗せられている作品は、なんともおしゃれで、ポップな雰囲気をかもし出していました。
家の白壁に無造作に貼り付けておいたら、さぞかしカッコいいだろうなぁ、と思いました。

◆筒井美馨-タナカチエコ(新宿眼科画廊)
仏教、仏像をモチーフとした作品でした。
色合いや構図がなんともカッコよく、おもわず「かっけぇ」と口にしていました。
また、その描き込みの細かさに目を見張ります。
私のつたない筆では表現しきれないのが残念ですが、色合いや世界観、モチーフ、そのすべてがカッコよく、
すべてのギャラリーの作品の中で、

ほしい!

と思わされた作家、作品でした。

<すみません、さらに短く紹介です>

そのほかにも取り上げたい作家、作品が多数あったのですが、このままではまとまりません。ですのでさらに省略させていただきます。

杉浦慶太-松島英理香(CASHI゜)
赤の斑点の写真。
いったい何を撮影するとあのような写真が撮れるのでしょうか?

*松島英理香さまよりコメントをいただきましたように、2009/11/1までアーティストの名前を村上友重として紹介しておりました。しかし、私の取り上げた作品は、杉浦慶太の作品でした。
村上友重さま、杉浦慶太さまには大変失礼をいたしました。申し訳ございませんでした。

◆近藤ケイジャン-天野智恵子(AIN SOPH DISPATCH)
ミノタウロスの像がカッコよかったです。

◆エリック・ディートマン-Marco BERENGO(Berengo Collection)
家の明るい部屋にまとめて数体置いておきたい。明るく、ポップな作品。

<現代アートのダイナミズムを体感できる>
この「ULTRA002」には、美術館で行われている展覧会にしか訪れたことがない方には、是非ご覧になっていただきたいと思います。
というのも、ここには現在進行形の芸術作品が多数あるからです。

多くの美術館で行われている展覧会は、評価の定まった作家の完成した作品が多く取り上げられます。
一方で、この「ULTRA002」で扱われている作家、作品はまだまだ評価が定まっていません。
とてつもない価値をもつものなのか、もしかしたら無価値なのか、こうした揺らぎが、現在進行形の芸術作品の特徴であり、魅力です。
評価の定まらない芸術は、いうなれば現在を生きている、のです。
また、「ULTRA002」には、美術館では決して見ることのない、値札のついた芸術作品がたくさんにあります。
それを見るだけでも、軽いショックを受けます。とても新鮮な感覚を味わうことができます。

もちろん、評価の定まった作家の完成した作品が死んでいる、というわけではありません。
それらの作品たちには、「時代を超えて生きている」という点に価値があるのですから。
逆に、「ULTRA002」の作品たちは、これからいったいどうなるのかわかりません。
そうした意味では、ほとんど価値がない作品といってもよいかもしれません。
しかし、時代に埋もれていってしまうのか、それとも今を生き抜き遠い未来でも評価されるのか、というダイナミズムは、古典的な作品をはるかに凌いでいます。
そして、その価値が揺れ動くダイナミズムは、現代アートの1つの楽しみだと思います。

ぜひ、その楽しみをみなさんに味わってほしいと思います。

私も来年は是非、しっかりとお金を準備して買う側として参加してみたいと思っています。
ダイナミックに価値が動く芸術作品の「価値を決める」という行為の一端に触れてみたい、そのように思っています。

<終わりに>
実はカタログにアンケートが挟まっていたことに気づかずに帰ってきてしまいました。
その中で【ベストウォール!賞】、つまり、1番よかったディレクターを選ぶという項目がありましたので、
それについてのみ参加したいと思います。
私の【ベストウォール!賞】は、

宮村周子(LaiRai)

です。
上記の買いたい作家として取り上げていないのに、「【ベストウォール!賞】か!」というツッコミがあるかもしれませんが、
1人の作家、神のぞみにフォーカスした展示はとてもすばらしく印象に残りました。

実はこの記事は、後日、アップデートしようとしていましたが「ULTRA002」の開催期間が短いこと、
なりよりもこの企画に面白さに刺激を受け、一気に書いて早めに公開することにしました。

それは、みなさんにも、是非、会場に訪れてほしいからです。

みなさんも、会場に足を運び、数々の作品ご覧になってみてください。
そして、【ベストウォール!賞】を選んでみてください!

【追記・2009/11/1】
一部、紹介をしたアーティストと作品の名前が異なっており、訂正しました。

【会場情報】
◆SPIRAL GARDEN
http://www.spiral.co.jp
◆TAB-エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ULTRA002」
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/0D3E

【作家情報】

とても数が多いので簡単にまとめました。

◆芳木麻里絵(よしき・まりえ)
・株式会社レントゲンヴェルケ-gallery artists_芳樹麻里絵

◆藤井秀全(ふじい・ひでまさ)
・スパイラルバンク-インタビューVol.8 藤井秀全

◆笛田亜希(ふえだ・あき)
・YOKOHAMA Art Channel-Artist File_笛田亜希

◆窪田美樹(くぼた・みき)
・PEELER-people_窪田美樹インタビュー

◆筒井美馨(つつい・みか)
・KON’S TONE-筒井美馨個展

◆村上友重(むらかみ・ともえ)
・CASHI゜-Artists_村上友重

◆杉浦慶太(すぎうら・けいた)
・今度、行われる展覧会の情報です。CASHI゜-Exhibition_2009/10/30-「ニエプスの箱・右 / 左」

◆近藤ケイジャン(こんどう・けいじゃん)
略歴などが非公開だそうです。

◆エリック・ディートマン(Erik Dietman)
・BERENGO FINE ARTS-artisti_Erik Dietman(※外国のページにつながります)

◆神のぞみ(じん・のぞみ)
・宮村周子の展覧会リコメン「すご早!アート2.0」-アーツ・チャレンジ2009@愛知芸術文化センター開催中!

【次の予定】
◆青参道-アートフェア2009
http://www.aosando.com/
・TAB
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/C54E

エンピツとキーボードの目的は「現代アートの面白さを伝えること」です

10月 27, 2009

<現代アートおもしろそう、と思ってほしい>

◆ブログの更新ができない
ここ1ヶ月近く、このブログの更新ができておりませんでした。
理由は簡単で、仕事の忙しさにかまけて更新をサボっていただけです。

このブログを開始するにあたり、

「週に一度なら、更新できるだろう」

などと考えていたのですが、そんなにあまくはありませんでした。

仕事で土曜日出社し、翌日の日曜日に展覧会は行き、帰ってきてもどうしても記事を書く気になりません。
「次の日に書こう」と思っても、翌日も仕事で、仕事が終われば疲れていて記事を書く気になりません。
また、展覧会の内容などほとんど忘れてしまっています。
その結果、ブログの更新がされなかったというわけです。
しかし、更新をしていない間、ブログのことを忘れていたわけではありません。
「なぜ、ブログを始めたのか」という目的について考えなおしてみたのです。


◆ブログの目的は現代アートを見に行く人を増やすこと

そもそも、このブログのタイトル「エンピツとキーボート」は、

・自分の考えや思いを表現するという行為を楽しみ、大切にする

という思いをこめてつけました。
楽しみながら、とくに展覧会をはじめとした自分と現代アートとのかかわりについて、その記録を残したいと思っていたのです。
そのような記録を公開して読んでいただくことで、少しでもアートに興味をもっていただきたい、と思っていました。
ですから、ブログの目的は、

・記事を読んだ人たちに現代アートの展覧会へ足を運んでもらう

ということです。
現在、ピカソ、ゴーギャン、ルノワールなど、すでの評価が固まった作家の展覧会、
また、ルーベンスやベラスケスなど、古典的な作家の作品が集まった展覧会には多くの人をみることができます。
しかし、現代アートの展覧会に多くの人を見かけることはありません。

私が「現代アートって面白い!」と感じたのは、今年のゴールデンウィークに、国立新美術館で開催されていた『アーティスト・ファイル2009』を見てからです。
それも、『アーティスト・ファイル2009』が目的ではありませんでした。
当初の目的は、同時期に国立新美術館で開催されていた『ルーブル美術館展』でした。
しかし、その展覧会の人の多さに辟易して会場から出てきてしまい、物足りなさを感じていたのです。
そんな状況で、ふと、おなじ館内で開催されている『アーティスト・ファイル2009』が目にとまり、なにげなくふらっとその会場に足を踏み入れたのです。。
その見てみると『ルーブル美術館展』よりも、パワーにあふれ、古典作品では決して見れないコンセプトの作品の数々が会場にあふれていました。
そして、わたしはそれを目にして一気に現代アートが好きになりました。
ようするに、私もそれまでは、ピカソやルーベンスのような評価が定まった作家や緻密で優れた技巧の描かれた作品ばかりを見ていたのです。

おそらく、日本で芸術鑑賞が趣味である人は、とても多いのではないかと思います。
しかし、現代アートとなるとその数は激減してしまうのです。
特にそれを感じたのは、上野の森美術館で開催されていた『ネオテニー・ジャパン展』を見に行ってからです。
かじった程度の知識で見に行った展覧会ですが、日本ではもちろん、海外でも名の知られた作家が数多く作品を出展しているにもかかわらず、人影はまばらでした。
こうした状況を見て、芸術といえば古典、評価の決まった作品を見ること、と思っている人たちに

・現代アートに興味をもってもらう
・現代アートの展覧会へ足を運んでもらう

ことを目的にこのブログを始めたのです。

◆短い文章で更新頻度を上げる
現在、このブログは

・現代アートに興味をもってもらう
・現代アートの展覧会へ足を運んでもらう

といった目的を果たしていません。
更新が1ヶ月もないブログは誰も読んでくれません。

ブログを読んでもらうには、いろいろと条件があるのでしょうが、その第1条件はブログがきちんと更新されることだと思います。
なのでこれからは更新頻度上げたいと思います。
具体的には

・週に2~3日

の割合で更新したいと思います。
ただし、文章はとても短いものにしようと思います。

いままで展覧会のまとめを書くことで更新しようと考えていました。
しかし、仕事が忙しかったり、休日に時間が取れなかったりする場合は、展覧会のまとめはを書くことができません。
展覧会のまとめを書くには、ある程度まとまった時間、1~2時間程度、必要です。
しかし、仕事が忙しくなると平日にそんな時間は取れません。ようるすに、長い文章はかけません。
また、長い文章を書こうとすると心理的な負担、プレッシャーも大きくなります。
文の構造を考えたり、推敲したり、ということ手間を考えるとなかなか書く気がおきなくなってしまいます。

ですので、短い時間で書くためにも、心理的な負担を減らすためにも短い文章での更新を心がけたいと思います。
しかし、更新頻度は週に1度ではなく、2度、3度と多くすることで、ブログを新鮮な状態に保ちたいと思います。

◆手をかけて愛着をもつ
またこのブログには足りない部分が多いと感じています。
端的にいうと、

・ブログがデザインされていない

と思っています。
フォント、ヘダーの色をはじめとして、テキストの配置や他のブログや情報サイトへのリンクも足りません。
また、展覧会の情報自体も足りません。
こうしたブログの欠点、足りない部分を今後、埋めてゆきたいと思っています。
そうした努力をすることで、ブログに愛着をもち、更新を続けてゆけるのではないかと思っています。
そして、このブログに

・記事を読んで展覧会へいきました

というコメントがたくさんいただけるように、したいと思っています。

◆次回は美術館・展覧会めぐりの旅のまとめです、たぶん
ちなみに、現在、私は夏休み中です。
そして、この休みを利用して美術館・展覧会めぐりをしています。
今週中に記事をまとめてブログにあげたいと思っています。
どうぞ、お楽しみに。