マイケル・ジャクソンの活躍は理解あるチームによって支えられていた

<やっぱり観にいった『THIS IS IT』>
こんばんは、keisyuです。
2009/11/8(日)に、『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を観てきました。
この映画は、マイケル・ジャクソン(以下、マイケルと略します)が今年の6月に死去した直後に、上映が予定されていました。
この一報を聞いて、死去した人の栄光を借りた商売に反発を感じた私は、映画を観に行くつもりはありませんでした。
しかし、2回もこの映画を観に行く、という後輩に勧められこと。
なによりも、マイケルがパフォーマンスをしている最後の姿が観るられること。
こうしたことからやはり観たい!
という思いが強くなり、朝1番の回を観にいってきました。

<やっぱり観てよかった!>
映画を観た感想は「観てよかった!」というものです。
映画の最初には、「for fans(ファンのために)」というメッセージが表示されますが、そのメッセージに偽りはありません。
『Wanna Be Starting’ Somethin’』、『Thriller』、『Beat It』、『Billie Jean』という往年の名曲。
『Human Nature』、『Heal The World』、『Man In The Mirror』という、マイケルの活動においてそれぞれの年代を代表するメッセージ・ソング。
これら有名な曲を歌い、ダンスなどのパフォーマンスを披露するマイケルの姿を観ることができるだけでも、今となっては大変、貴重です。

映像は、リハーサルのものなので、歌にせよダンスにせよ、100パーセントのパフォーマンスを見せてくれているわけではありません。
事実、映像の中にはそのような発言をするマイケルの姿が納められています。
しかし、そのマイケルの姿は、マイケルと同じ舞台に立つ、若いダンサー、ボーカルたちに見劣りすることはありません。
むしろ、若い才能たちのすばらしいパフォーマンスが、さらにマイケルの姿を引き立て、さらに輝いて見えます。
さらに、マイケルのパフォーマンス、舞台での打ち合わせの風景、そして、ライブで使用される予定であった映像、これらの要素で構成された映画の編集は
ファンの心理を知り尽くしたものであり、まさにファンは必見です。
私は、『Man In The Mirror』を聴いたときに、つい涙を流してしまいました。

この映画を監督した、ケニー・オルテガ(以下、ケニーといいます)は「ファンがどんなマイケルを見たいか?」を熟知してこの映画を製作したのだな、と感心しました。
この映画は各方面で取り上げられ、ファンでなくとも必見といわれています。
しかし、私はやはりこの映画はマイケル・ファン向けであり、ファンにとっての最高の映画になっていると思います。

<映画から学ぶ、良い質問の効果>
マイケルの生前の活躍を振り返ると、その活躍は歌とダンスにおける圧倒的な才能を抜きには語れません。
しかし、この映画を観ているとマイケルの活躍は、歌とダンスだけによるものではないことがわかります。
ライブ・パフォーマンスは、演奏、ダンス、照明、特殊効果など数々の要素で成り立っています。
マイケルのライブは、それらの要素について多数の才能あふれる人たちがあつまって作り上げられいるのです。
そして、マイケルの凄さはそのような才能を惹きつけ、まとめ上げ、良いチームを作り上げられる、という点であるということがこの映画を観てわかりました。
映画でも流される、マイケルと同じ舞台に立つ予定であった人々のインタビューを観ると、マイケルが如何に彼らに憧れ、尊敬を得ているのか、がわかります。

とくにこの映画の監督である、ケニーとの関係はこのチームの良い関係を観ることができました。
それは相手に良い質問をして、相手の考えていることを理解する、という関係です。

マイケルは、パフォーマンスについては妥協せず、自分の美意識や価値観にもとづいて、チームのメンバーに意見を言います。
しかし、マイケルの言葉は感覚的だったり、遠まわしだったりします。
たとえば、ある曲のテンポが速すぎると感じたマイケルはキーボード奏者に、「もっと遅く」という指示を出します。
キーボード奏者もそれに答えようとするのですが、なかなかうまくいきません。
というのは、「もっと遅く」(※マイケルは映画の中でもっと詩的な表現を使っていました)といわれたところで、それに具体的な基準がないからです。
音楽用語がわからないので、具体的な例を挙げることできませんが、音楽における共通用語で基準となる言葉によるテンポの指示であれば、キーボード奏者も、そのテンポで演奏することができるはずです。
結局、キーボード奏者は、マイケルにたいして「もっと具体的に指示してくれ」と頼んでいました。

たいして、ケニーはマイケルの遠まわしの言葉を、質問のよって具体化します。
マイケルがイヤホンの音が大きすぎて、うまく歌えないという状況で、「歌えない。慣れようとしてるけど、なれない。」といいます。
しかし、それはライブ全体のリズムを整えるために必要な仕掛けです。イヤホンをせずにライブをすることはできません。
また、マイケルの言葉だけだと、マイケルが何を望んでいるか、どのように対処してよいかわかりません。
そこで、ケニーは、
「いま、ミキサー(※音の調整を行う人)に何かできることはある?」
とマイケルに問いかけます。
その質問によってマイケルは、「イヤホンの音をもっとおとしてほしい」という具体的な要望を、ケニーに伝えることができました。

マイケルに限らず、人に要望を伝えるのが苦手な人がいます。
言葉が感覚的、詩的だったり、相手の間違いを指摘するときには言い回しが遠まわしになったり、してしまうことで、自分の考えや気持ちがうまく伝えられない人がいます。
こうした人たちの言葉を無視してしまうと、その人たちはチームになじむことができません。
また、その人たちの気づきや才能をチームに活かすこともできません。
そのような状況では良いチームを作ることはできません。
そして、そのような状況を打開するためには、「相手を理解しよう」という心と実際に理解するための質問なのです。

上記のマイケルとケニーのやり取りを観て、マイケルにとってケニーは良き理解者だったんだろうな、と感じました。
そして、良き理解者であったケニーだからこそ、この『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』という映画は、ファンを満足させる素晴らしい映画になったのだと思います。
それは、ケニーが「マイケルはいったいどのような自分をファンに見せたいか」ということを、一緒にライブを作り上げていくさなかに理解していたからだと思います。

いかにマイケルが素晴らしい才能を持っているとはいえ、その才能だけでは素晴らしいライブを作り上げることはできません。
ケニーをはじめとして、その才能を理解し、受け止め、形にするという努力ができる人たち、素晴らしいチームに支えられているからこそ、素晴らしいライブは作り上げられるのです。
この映画は、素晴らしいチームを作ること、そのチームを作り上げるためにお互いを理解すること、そして、お互いを理解するために質問する、ということの大切さも教えてくれました。

<ありがとう>
最後にあらためて感謝を。
この映画を作ってくれたケニー。
そして、映画でライブをよいものにしようとしていたスタッフたち。
なにより、この映画の主役、いままで多くの感動を与えてくれたマイケルに感謝します。
どうもありがとう。

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