Archive for 2009年12月

年末なので今年を振り返ってみた

12月 30, 2009

今日は2009/12/30ということで、今年も残すところ今日を入れて後2日。
部屋の大掃除を行いました。
大掃除のメインは主に本の片付けです。
本の片づけでは、「とっておく本」「売ってしまう本」「あげる本」の3つに分けることにしています。
この仕分け作業を行っている最中に、ふと「どれだけの本を読み、展覧会へ行ってインプットを行ったのか」ということが知りたくなりました。
ですので、今年行った展覧会のチケットをコルクボードにはり、「とっておく本」をその前に積み上げて写真をとりました。

今まで、実績、記録をとってくることがなかったのですが、やってみるとすごい充実感です。
展覧会のチケットや読んだ本を眺めていると、自分が投資したお金と時間の多さが実感できます。
が、果たして今年はこれだけのインプットに見合うアウトプット、成果を上げることができたでしょうか。
ぱっと思いつくのは、

1月から始めた社内勉強会を継続できたこと
今年の9月からブログを始めたこと
TOIECをちゃんと受験したこと

ぐらいですから、インプットに見合うアウトプットがまだまだ足りないといわざるを得ないでしょう。

とはいえ、こうした事実に気づくことができたのも、展覧会へ行ったチケットをちゃんと取っておいたり、ブログを書いて日々のことを記録したり、という実績をとる習慣を身につけることができた成果だと思っています。
来年は仕事でPMを経験することができそうなので、予定を立て、実績をとり、予定と実績を見直す、というサイクルが重要になると思います。
その経験を前に、、プライベートな行動とはいえ、しっかりと実績をとり、その振り返りを行えたのは良かったと思います。

来年は、今年の反省を生かしてアウトプットの年にしたいと思います。

本を読むだけでなく、本を書く(つもりでブログを書く)
自分の勉強会で
アプリケーションを開発する

など、その他いろいろやりたいことはありますが、前回の記事にも書いたとおり、目指すべき「月」はあるのですから、「月」を目指して進むまで、です。

ちなみに来年、読む本はこんな感じですでにたまっています。

アウトプットの年とはいえ、インプットが必要なくなるわけはありません。笑

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「DOMANI明日」展の開放的な雰囲気のなかで作品を楽しむ

12月 27, 2009

<開放的な明るい会場>
2009/12/19(土)に国立新美術館へ「DOAMNI明日」展を見に行きました。
「DOMANI明日」展は、文化庁の在外研修制度によって海外に派遣された作家たちがその成果を発表する場です。
どのような新しい作品を観ることができるのか、楽しみにしながら会場へ向かいました。

会場の国立新美術館はとても明るくて開放的です。
白い壁と高い天井、そして、明るい照明。
そして、各作家ごとに、かなり大きな空間が割り当てられています。
壁一面の大きな作品、大きな空間にちりばめられるように展示されている小さい作品、また、あえて照明をおとして落ち着いた雰囲気の中に展示される作品など、作家が作品を思い思いの形で展示しています。
大きな空間を使って作品を展示するとができる、ということは作家たちにとっては面白いことだろうな、と思いながら作品を見て回りました。

<気になる3人のアーティスト>
今回の展覧会には、12人の作家の作品が展示されています。
その中でも気に入った3名を簡単ですが紹介します。

◆栗本夏樹
漆と蒔絵など、伝統的な手法を用いて作品を製作されています。
伝統的な素材と手法によって製作されているからといって、古臭さはまったく感じられません。
漆や朱漆、金、銀、果てはボンネットを用いた作品の数々は、伝統的な手法と現代の感性やモノとの混ざり合い、新鮮味を感じます。
また、パレスチナ・シリーズやコリア・シリーズ、ジャパン・シリーズなど、国自体をモティーフにして作成された作品もあり、作家が意図的に他の文化との融合を考えていることも感じられます。
クレジットを見ても、日本にさまざまな国の文化が流れ込んできた時代に興味がある、との主旨の文がありましたので、自身の興味がストレートに作品に反映されているのだと思います。

◆伊庭靖子
クッションや磁器の静物画です。
モティーフを聞いても、静物画と聞いても、面白そう!とは感じないかもしれません。
しかし、作品を観るとそのすごさがわかります。
モティーフの立体感と質感、光の捉え方が、卓越しています。
クッションの絵はおもわず触ってみたくなります。
磁器の絵は、磁器がカンヴァスから飛び出して見えるので、立体的なカンヴァスを使って描いているのではないか、と絵を真横から見て確認してしまうほどです。

過去に光を捉えようとした印象派、という人たちがいましたが、伊庭靖子は新時代の印象派、と言ってよいのでは、と感じました。

◆安田佐智種
都市のビル群をモティーフにした写真です。
生き生きとした、そして、迫力ある都市の写真の数々を眺めていると、都市の喧騒や息遣いを感じます。
特に、壁一面に張られた大画面の都市の写真は、鑑賞している人たちに襲いかかってくるようです。

写真は、ビル群のはるか上空にたって見下ろすような構図です。
ですが、単に高所から見下ろすように写真を撮影しても、あのような作品にはならないと思います。
何か特別な手法が施されているのではないか、と思います。

<マイアートは、能装束Ⅱ>
最後、マイ・アート、「この作品は買いたいな」とおもった作品です。
『週末はギャラリーめぐり』を読んでから、作品を鑑賞するときの視点のひとつして「自分だったら買う」という作品を、マイアートとして紹介しようと思い立ちました。
ちなみに、マイアートという言葉は、同書の著者、山本冬彦さんの言葉を拝借しております。

今回のマイアートは、栗本夏樹の『能装束Ⅱ』です。

漆と蒔絵、による作品で、ビジネスバック程度の大きさの作品です。
漆の落ち着いた色合いと、蒔絵と螺鈿のきらびやかさが調和している作品でした。

この作品を一目見て、「家の白壁に飾り付けたいな」と思いました。
気になる方は、是非、会場に足を運んで実際に鑑賞してみてください。

【会場情報】
◆国立新美術館-DOMANI・明日展2009
http://www.nact.jp/exhibition_special/2009/03/domani.html
◆TAB-「未来を担う美術家たち DOMANI・明日展2009」
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/E961

【作家情報】
◆栗本夏樹(Natsuki Kurimoto)
google-”栗本夏樹”による画像・検索結果

◆伊庭靖子(Yasuko Iba)
・yasuko iba home
MA2 Grallery-artists_Yasuko Iba

◆安田佐智種(Sachigusa Yasuda)
google-”安田佐智種”による画像・検索結果

【次の予定】
◆「No Man’s Land」展 @フランス大使館 ※現在はホームページが閲覧できませんでした(2009/12/27)
◆TAB-「No Man’s Land」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/4B1A

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2010年2月18日は「デブサミ」でクラウドのシャワーを浴びることにしました

12月 23, 2009

昨日、2009/12/22(火)に「DevelopersSummit 2010」のサイトがオープンし、参加登録が可能になりました。

「DevelopersSummit 2010」
今年のDevelopersSummit、通称デブサミのテーマは、

「世界は変わった。開発の現場はどうか?」

です。
マクロ的な視点から開発現場が変わったか、はわかりません。
しかし、私自身、今年からセミナーや勉強会へ積極的に出席し始め、いろいろな方のお話を聞いたり、また、話し合ったりしていて、

「より良い方向へ変えよう。変わろう。」

という機運の高まりを感じています。
ですので、今回も、<変化>に焦点をあてたアツい、前向きなお話が聞けることを期待しています。

デブサミの数あるセッションの中でも、私は、テーマをクラウドという技術に絞って話を聞こう、と思っています。
クラウドという言葉は、現在、いろいろな意味合いを含んだ怪物的な単語に成長していると思います。
そんなクラウドの最新動向について、また、実情について学びたい、と思っています。

さて、セッションのタイムテーブルですが、サイトのオープン直後ということもあり、まだまだ埋まっていません。
しかし、すでに埋まっているタイムテーブルの中には、
市谷聡啓さん(@papanda
鈴木雄介さん(@yusuke_arclamp)
近藤寛喜さん(@kompiro)
といった、私がDevLOVEで参加したセッションのスピーカーをされていた方々の姿がありました!

また、以前、記事で紹介させていただいた、スクラムのコミュニティ「すくすくスクラム」さんも、他のコミュニティと合同でLT大会をやられる様子。

ぜひ、お話を聴きたいのですが、クラウド関係のお話ともろにタイムテーブル上で被っており、今回は我慢。
また、アジャイル関係のお話も同様に我慢。
今回の私のテーマは、あくまでもクラウドです。

クラウドの構築や開発現場の実情はどうなっているのか?
クラウドは実社会にどのような変化をもたらそうとしているのか?
商売的には、どのような展望が描かれているのか?

そのようなこと含めて、どんなアツい、面白い話が聞けるだろう、と今から楽しみです!
登録されていない方は、是非、参加登録を!

【イベント情報】
DevelopersSummit 2010

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「神のぞみ」さん、注目されてます?

12月 20, 2009

最近、私のブログに訪れてくださる方々のなかでも、

「神のぞみ」

と検索した結果から訪れてくださる方が多いようです。

その方々には、大変申し訳ないのですが、私のブログで神のぞみさんを取り上げたことは、1回しかありません。
それも、「ULTRA002」の記事で、ちょっと触れた程度です。

なので、「そんなに私のブログが検索結果の上位に表示されるのか」と疑問に思い、今日、検索してみました。
確認したところ、なんと5番目に表示されていました。

が、それ以上に驚いたことになんと!神のぞみさんが公式ホームページを開設されていることを発見しました。

神のぞみオフィシャルWeb

私が、「ULTRA002」の記事を書くときに検索しても発見できませんでした。ですので、開設されたのはつい、最近のことなのではないでしょうか。

まだまだ、作成途中のためか一部のコンテンツは観ることができません。
しかし、神のぞみさんの作品が紹介されているギャラリーと、プロフィールなどを閲覧することができます。

そのなかでも、「言語的化石芸術論」は必見です。
神のぞみさんのもつ世界の一端にふれられます。
おもわず、後ずさりしたくなる、でも気になって見てしまう、そんな世界観ですよ。

私は「月」を目指すことにしました。

12月 19, 2009

唐突ですが、月を目指すことにしました。
その月は、

「汎用機開発と美術について語れるスクラムマスターになる」

というものです。
そのために、

「次回の認定スクラムマスター研修を受ける」
「2010年11月の美術検定で3級を取得する」
「1年後にアジャイル開発・保守チームを社内につくる」

という目標を立てました。
やれるかどうかは、わかりません。
とくに、3番目は独力だけは絶対に無理です。相当、難しい試みだと思います。
でも、目指すべき場所は、はっきりしてきました。ですので、やりがいがある、と思っています。

さて、なぜいきなりそのようなことを書き始めたかといいますと、きっかけがあります。
それは、1冊の本との出会ったこと、2009/12/12(土)に「DevLOVE2009 FUSION」というシステム開発などに携わるエンジニアが集うイベントに参加したことです。

まず本の紹介です。その本とは、本田直之さんの『パーソナル・マーケティング』です。

この本を読んで、キャリアを築くに際して、マルチ・キャリア、そしてコントリビューション(貢献)という考え方を意識するようになりました。
マルチキャリアとは、自分の強みを掛け算することです。

ひとつの分野で抜きんでて実績を出すことは難しくても、いくつかの要素を組み合わせることで独自性を創りだすことが可能です。(p.141)

たとえば、汎用機開発に携わる人は、まだたくさんいます。しかし、汎用機開発に携わり、かつエクストリーム・スポーツをやっている人は、あまりいないはず。
さらに、その人がはやりの野菜ソムリエの資格を取得したら、その人の独自性はいっそう際立つでしょう。

では、掛け合わせることができる強み、とはどんなものでしょうか。
著者は、強みを「人に教えられるもの」と表現しています。

ところで、「強み」とは何でしょうか? 私はひとことで言って、「人に教えられることを持っている」ことだと考えます。
(中略)
ちなみに私は、自分がキャリアを積んだり、スキルを磨いたりするときにまず、「それを身につけることが、誰かの役に立つだろうか?」と自問するようにしています。(pp.88-89)

「人に教えられる」「人の役に立つ」という知識や経済の根源的な考え方にもとづいた、「強み」の表現が、わかりやすく、納得できました。
こうした、マルチ・キャリアとコントリビューションに基づいて、キャリアを形成しようと考えたときに、今度は別の疑問が浮かんできました。
それこそが、「今後、自分は何を目指すべきか」「今後、自分は何に取り組むべきか」という疑問です。

「独自性のあるキャリアを構築したい」
「そのキャリアを築くうえで何を強みとすべきか、何が人の役に立つか」
「キャリアを築くうえでプラスになるスキルを何か」

こうした質問がぐるぐると頭の中を回った状態で、私は「DevLOVE2009 FUSION」に参加したのです。
そして、とてもうれしい思いをしたのです。
それは、こんぴろさんのセッションで、

「汎用機開発に携われるのは、うらやましい」
「汎用機開発とオープンとの橋渡し的な技術を学んでみたら」

という言葉をいただけたことです。
汎用機開発でも学ぶべきことはあります。
しかし、これから先を見通したときに、汎用機の開発における知識だけではとても不安でした。
レガシー技術といわれ、これから火が消えてゆくような技術に業務でかかわることに、閉塞感を感じていました。

そんな私にとって、セッションいただいた2つのアドバイスは、目の前の扉を開く鍵のようでした。
汎用機開発に携わることそのものに、可能性を感じ始めることができたのです。

上記で紹介した『パーソナル・マーケティング』におけるマルチ・キャリアにおいても、「20代で汎用機開発に携わった」という事実はきっと独自性をだすためのひとつの要素になると感じることができたのです。

また、なによりも、

「生き残る、という戦略を考えてみたら」

という言葉いただいたときには、本当に心が洗われる思いでした。

「もっとチームを良くしたい」
「もっと役に立てる技術者になりたい」

と考えて、学んでいるうちに、ついつい独りよがりになり、

「もっと華々しい活躍をしたい」
「もっと褒められたい」

という的のはずれた欲求も生み出していたのではないか、と反省させられました。
華々しい活躍もすばらしいですが、今、それが望めないのであれば、「生き残る」という謙虚な姿勢から自分の仕事の価値やキャリアについて考えてみるのも良いかもしれない、と思えました。
何より、自分の能力を鍛えることは、自分自身が華々しい活躍をするためではないのです。
それは、仕事とはお客様とチーム、そして社会に貢献することが目的です。
その第一の原則を、「生き残る」という言葉に思い出させていただきました。

このほかにも、セッションやエンジニアの人との交流をつうじて、

「クラウドはバズワードじゃないっぽいな」
「今、アジャイルに参入することでアーリーマジョリティーにはなりえるかも」
「ドラゴンボール理論、ワンピース精神に準じるワンフレーズの原則をつくってみたいな」
「アジャイルを導入するに役立つビルディングタイプはあるなかな」

などと取り留めのないことを考えました。
まだまだ、まとめられる段階ではないので、記事にはできませんでした。
これから学びや経験を通じて、自分の思ったこれらのことをまとめて記事にしたいと思います。

何よりも楽しかった!
そして、とても大きな成果も得られました。
その成果が、自分の強みと信じる要素をFUSIONさせた、冒頭にある私の「月」です。

※「月」=目標。 これは、papandaさんのセッションからのパクリです。

【コミュニティ情報】
◆DevLOVE
・DevLOVE’Site
・DevLOVEメーリングリスト・サイト ※googlegroupへの参加が必要です。
【イベント情報】
◆「DevLOVE2009 FUSION」 ※すでに終了しています。
http://www.machoup.jp/devlove2009/index.html

『週末はギャラリーめぐり』をしたくなる

12月 13, 2009

かなり前に「読みます!」宣言をした、『週末はギャラリーめぐり』という本を読みました。
久々に自分の興味と本の内容が一致する、という気持ちの良い読書体験ができました。
著者の山本冬彦さんは、アートソムリエを自認し、30年間で1300点もの芸術作品を収集されたという方です。
山本さんの蒐集のきっかけは、マンションを購入した際に壁に飾る絵を探したこと、というのですから、まさに趣味を極めた方です。

そんな著者の手がけた本書は、まさにアート初心者、必読の書です。
現代アートの美術館の紹介から始まり、美術品の種類の説明、都内にある主要な画廊の紹介、画廊やギャラリーでのマナー、美術品蒐集の始め方までと、アート初心者が知りたいことを的確に捉えた内容になっています。

たとえば、初心者にありがちな以下の疑問にも本書では答えてくれています。
・美術品の保存って難しいのでは?
→ きちんと額に入れ、日光や冷暖房の風をダイレクトに当てなければ神経質にならなくても良い。

・サイン帳(芳名帳)ってなに?
→ 個展を開催した作家にとって、どれだけの人が個展に来てくれたか、という記録になる。
また、住所を書くと画廊が開催するショーの知らせを送るのにも使用する。

・最初にどんな作品を買ったらよい?
→ 無名で若手作家の本物の作品を購入する。もちろん、自分の目と頭で価値判断を下して買うこと。

特に私に強い印象を残したのは、著者のコレクションにたいする考えをあらわした以下の文章です。

お金に任せて集めたコレクションの中には、世間で有名な作家の作品ばかりをすすめられるままに集めたもので、そこには集めた人の独自の眼がまったく感じられない、つまらないものが時々見受けられます。
コレクションを雑誌にたとえると、どんなに有名な人気作家を執筆陣に集めて文章を書いてもらっても、その雑誌のテーマやコンセプトが明確で独自性がなければ立派な雑誌はできません。
コレクターとは雑誌の編集者であり、コレクションとはまさに編集という創造活動なのです。 (p.139)

コレクションを創造活動である、とする著者の考え方には共感をおぼえます。
私の場合は、アートではありませんが、読書が趣味なのでよく本を購入し読みます。
社会人になってからは、ビジネス書を中心に読んでいるので、最近まではビジネス書が本棚の大半を占めていました。
しかし、現代アートに興味をもつになってからは、アート関連の本を購入して読む機会が増え、徐々に本棚を侵食してきました。
そのような本棚を眺めていると、自分の思考や嗜好の変化、そして、現在の自分の頭の中を取り出して眺めているような気分になります。
そして、その本棚が自分のひとつの作品に思えてくるのです。
こうした点が、著者のコレクションにたいする思いに共感をおぼえる点です。もちろん、お金のかかり方は天と地ほどの差がありますが。。。

また、こうしたコレクションのたいする思いを見ると、「じぶんも集めてみたい」という思いが強くなってきます。
今年の5月に現代アートと面白みに気づくまで、「アートを買おう」ということなど微塵も考えたことがありませんでした。
それは、触れてきたアートがルネサンスやバロックなどの売り買いどころか、売買すらされないような価値をもった作品を中心に美術館で鑑賞してきたからです。
そして、現代アートに興味をもって「作品が買える」という、当たり前の事実に衝撃を受けてなお、作品を購入するまでにはいたりませんでした。
しかし、著者の言葉を見ると、購入する、集める、という行為そのものが自分自身を表現する1つの手段であると気づかされました。
絵を描くこと、彫刻を削りだすこと、映像を切りとり表現することをあきらめてしまった私にも、芸術にかかわりながら表現する手段がある、このように考えると俄然、「コレクションをはじめたい」と思わされるのです。

とはいえ、はっきりいってお金はありません。
ですので、現代アートを見る際には、買わないまでも「買うか、買わないかの視点で作品をみる」ことを実践したいと思います。

「自分だったらこの作品を買うだろうか」
「この作品だったら買ってもよいとおもうけど、なぜ買いたいと思ったのだろう」

こうしたこと考えながらアートを眺めることで、自分のアートにたいする考え方や趣味・嗜好が見えてくるはずです。
特に何も考えず、偶然にまかせて「いいな!」と思える作品に出会える、というのも素敵な経験だと思います。
しかし、それだけで放っておいてしまうと、出会いだけで終わってしまいます。
素敵な作品に出会ったら、出会いだけで終わらせてしまうのはもったいない。
作品の魅力と自分の趣味・嗜好のどこがあっていたのか、を考えると、その作品とより深い付き合いができそうです。
また、自分の好きな作風の作品たちに出会う機会も増えそうです。

「鑑賞するだけのアート」から「購入を考えるアート」へ、ちょっと進んでみたいと思います。

最後になりますが、著者の山本冬彦さんのコレクションが、なんと!東京で見られるチャンスがあります。
場所は千駄ヶ谷駅ちかくの佐藤美術館で、1月14日(木)より開催、とのことです。
アートソムリエのコレクションに興味がある方は、是非、足を運んでみてください。

【作家情報】
◆山本冬彦(Huyuhiko Yamamoto)
・アートソムリエ・山本冬彦
・山本冬彦, 『週末はギャラリーめぐり』, ちくま新書, 2009年
【展覧会情報】
・佐藤美術館-Exhibition_「山本冬彦コレクション」展
・芸力-検索結果_「山本冬彦コレクション」展

『ひとつ上のチーム。』ってなんだ?!

12月 6, 2009

かなりまえになりますが、『ひとつ上のチーム。』という本を読みました。
コピーライターの眞木準が編集をつとめ、広告業に携わる人たちの理想のチームについての考えを、纏め上げた本です。
編集の眞木準をはじめとして、登場する人々は「見たことある!」、そして、その時代で話題となった広告に携わってきた人たちです。

私が当時この本を手に取ったのは、広告業とソフトウェア開発、はとっても似ているところがあると思っていたからです。。
まずは働く単位がプロジェクトである、というところです。
何か広告を生み出すときには、その期間に人が集められ、広告という成果物を生み出し、チームは解散、となります。
ソフトウェア開発でも、お客様からの依頼があり、いつまでにシステムを納めるかという納期(プロジェクトの期間)を決め、システムという成果物を生み出し、開発チームは解散となります。
次に、肩書きにカタカナが多いことです。
広告業では、クリエイティブディレクター、コピーライター、デザイナー、CMディレクター、フォトグラファー、プロデューサー、マーケティングディレクターなどなど、まだまだたくさんの肩書きがあります。
ちなみにソフトウェア開発では、プログラマー、プログラムマネージャー、プロジェクトリーダー、アーキテクト、コンサルタント、さらにはシニアプログラマーなどなど、です。

2つの共通点をもつ広告業とソフトウェア開発は、日本における立場には天と地ほどの違いがあります。
今、就職活動に励んでいる学生も多いかと思いますが、そのほとんどの人たちは「広告業って面白そう」、と思って採用試験を受けると思います。
一方、ソフトウェア開発については「面白そう」と思って、採用活動を受ける人たちが何人いるでしょうか。
また、広告業のこうしたチーム論の本を出せば広告業以外の人も手に取ることはあるでしょうが、ソフトウェア開発の人たちがこうしたチーム論の本を書いた場合、どれほどの人たちが手にとるでしょうか。
自分が仕事をしている業界を悪く言いたくはありません。
そして、現に今の仕事にはたくさん面白みを感じています。
ただ、一般の人たちはおそらく、現場にあるソフトウェア開発の面白みをまったく知らない。もしかしたら、興味もないかもしれません。
なので、本を読んだ当時は、こうしたチーム論の本を作り売り出せる、という広告業の立場の人たちをうらやましく思いました。

<チームの二論>
今回、私がこの本を取り上げたのは、2009/11/25(木)に「すくすくスクラム」「チームとは何だ?!」という勉強会に参加したからです。

広告業とソフトウェア開発の共通点は、上記に挙げた働く単位、肩書きだけでなく、意識する組織の単位がチームである、という点もあげられます。
もちろん、会社という大きな組織に所属しているのは、他の業界と同じです。
しかし、プロジェクト、という単位で働いて成果をもとられるので、意識する組織の単位は会社ではなく、プロジェクトのチーム、という単位です。

「すくすくスクラム」の勉強会では、スクラムという開発手法をもちいたシステム開発プロジェクトに携わる人たちのチームにとって大切なことはなにか、優れた成果をだす「ひとつ上のチーム」とはなにか、グループワークを交えて学んできました。
講師は、アジャイル開発の導入支援などに携わるodd-e-Japanの代表取締役、エマーソン・ミルズさんです。

・良いチームは統一的な理念、目標をもっている
・人は育てるのではなく、育つ
・失敗は人とチームを育てる
・管理できる失敗を仕掛けることでチームの成長を促すこともできる

など、チームやチームを構成する人についてのさまざな指摘がなされたのですが、私の印象に残っているのは、

・うまくいっているチームを解散させてはいけない

という言葉です。
うまくいっているチームとは、チームのメンバー同士の信頼も高く、成果も出していいるチームです。
こうしたうまくやっているチームの良い部分を、他のチームに波及させるため、うまくいっているチームを解体してしまうことは、プラスがないとミルズさんは言います。
うまくいっているチームとは、仲の良いメンバーで楽しく仕事をし、成果を出している。
にもかかわらず、成果を出したとたんに解体してしまったら、仕事をうまくやるインセンティブはない、というのです。
たしかに、うまくいっているチームほどチームメンバーの仲もよく、楽しくは働いている印象があります。
そして、そのようなチームを解体させることには利点はないのかもしれません。

実際、私が今、所属しているチームもおなじ会社のシステムを10年以上もの間、開発から保守・運用まで携わっているチームです。
そして、長い期間、それほどメンバーが変わることなく、続いているチームです。
私自身も、入社して半年後にそのチームに配属されたから、一貫してそのチームに所属し続けています。
ですから、ミルズさんがおっしゃっている同じチームに所属することの利点を実感しており、共感をもちました。

しかし、仲が良いからといってずっと同じチームで仕事するべきなでしょうか。
ずっと同じメンバーで仕事をすることでチーム内での知識や技術の属人化が進んでしまわないのか。
そして、誰と一緒じゃなきゃダメ、そして、成果が出せない、というのでは、その人にはあまりにも柔軟性がたりないのではないか。
そのような疑問も抱いてしまいました。
仲の良い、やりやすいチームでやることが成果をだすことにつながる、というのは事実でしょう。
一方、現実としては、誰とでも、どのような状況でも成果を出すことを求められます。

『ひとつ上のチーム。』でも以下のような2つの対極の考えが紹介されています。

まずは、チームの人にはこだわりを持つのがプロフェッショナルな仕事をする条件である、という考え方です。

誰と組んでもいい仕事ができるというわけではありませんから、組む相手はおのずと決まってきます。これはやむをえないことだとぼくは思います。
いいかえれば、チームがうまくいくかどうかは、その人が優秀であるかどうかだけで決まるものではないということです。
スターばかりを集めたドリームチームをつくれば、それで何もかもがうまくいくわけではない。仕事の出来を考えれば、嗜好が一致しているかどうかのほうがはるかに大切です。(p.53)

次に、チームの人にこだわりをもつのではなく、誰とでも仕事ができる柔軟性をもとめる、という考え方です。

ときどき、コピーライターは誰で、アートディレクターは誰でなければ、いい仕事ができないといってはばからない人がいますが、その姿勢は本当のプロフェッショナルのものとはいえないとぼくは思う。
そうではなくて、一定以上のレベルのスキルをもったスタッフとならば、誰とでも組める。目的に向かって、誰とでも課題を解決してみせる。
そういう姿勢であらゆる仕事にのぞめるのが、真のプロフェッショナルであり、その哲学のもとで編成されるのが、本当のプロフェッショナルチームではないかとぼくは思います。(p.95)

ひとつは、自分のチームというものをもち、メンバーにこだわりをもちながら仕事をすることで成果を出すことがプロフェッショナルの仕事であり、気心の知れたメンバーで組織されるべきだ、という考え方。
もうひとつは、自分のチームやメンバーにこだわりを持つのではなく、誰とでもプロジェクトの目的を共有しよいチームを築き上げて成果を出すのがプロフェッショナルのしごとであり、特定のメンバーにこだわることは意味がない、という考え方。

ひとつ上のチームにたいする考え方には、こうした対立的な2つの考え方あるようです。

<理想のひとつ上のチームを作るために現実を受け止める>
この対立的な2つの考え方はどちらが正しいのでしょうか。
私は、前者が良いチームとしての理想、後者が良いチームとしての現実、なのではないか、と考えています。

嫌な仕事を嫌なメンバーをやるよりも、好きな仕事を組んでいて楽しいメンバーとやって成果を出すほうが良いほうに決まっています。
よく言われますが、嫌な仕事を嫌なメンバーとするには、人生は短すぎます。
楽しみながら成果を出す、こうしたチームが理想です。
しかし、現実には自分が所属できるチームを選ぶことはほとんどできません。
会社やプロジェクト、お客様といったさまざまな要素によって、自分が所属するチームは決められてしまうことが一般的です。
システム開発においては、システム規模が大きくなればなるほど、自分が所属するチームを選ぶことは難しくなります。
システムのこの部分は自分の会社、この部分はあの会社、ハードウェアの管理はその会社などと、自分の仕事とかかわりをもつチームは大きくなって行きます。
ですので、たとえ自分の会社内でよいチームをつくり、維持することが定着しても、それだけでは理想の良いチームで仕事することはできません。
そのときに必要なのは、

理想のひとつ上のチームを作り上げる行動を起こす

ということなのだと思います。
そして、チームの人にこだわりをもつべきでない、という考え方は、こうしたときに前を向くために必要な考え方なのだと思います。
プロジェクトメンバーのとして集まった自分たちの目標を共有し、自分たちの能力を遺憾なく発揮すること、そうして優れた成果をだすことで、プロジェクト内の人と人との関係も成熟してくるのではないでしょうか。
そのために自分が理想のチームにいないことを嘆かず、理想のひとつ上のチームをつくるために行動すること。
こうしたことの背中を押すために、現実のひとつ上のチーム論が存在するのではないか。
そのように私は考えています。

「ヴェルナー・パントン展」へ穴の開いた靴下で行ったことを悔やむ

12月 4, 2009

<盛況な会場>
2009/11/23(月)は、東京オペラシティで開催中の「ヴェルナー・パントン」展へ行ってきました。
開場時間の11時とほぼ同時刻に行ったのですが、若い人たちを中心に結構な混み具合でした。
私はヴェルナー・パントンという人を、この展覧会へ行くまで知りませんでした。
が、会場の混み具合を見て、もしかしてものすごく有名な人なのかな、と認識を改めました。

<奇妙な調和をもった世界観>
ヴェルナー・パントンの家具は、どこかシステマティックで、近未来的な印象を受けました。、
家具にプリントされた模様は丸や四角のパターンであったり、機械的で精密な計算によって切り出されたようなデザインであったりする作品は、古びた印象はいっさいありませんでした。
しかし、購入したら「どこにどうやって置こうか?」と悩まされそうな前衛的なデザインな家具は、純和風な場所はもちろん、パントンの出身地であるデンマークでも収まるところはなかったのではないでしょうか。
家具を単体を見て購入してしまった場合、実際に家においてみると収まりが悪く、どこにおいてよいかわからない、という羽目になりそうです。

しかし、パントンの凄さはその作品の単体のデザインだけでなく、全体の世界観に調和があることだと感じました。
この展覧会のメインとなるのは、実際にパントンが1970年にケルンで製作した「ヴィジョナ2」という展覧会の再現です。
この「ヴィジョナ2」を再現している空間を含めて、フライング・チェアやUFOのような照明が飾りつけられた空間が実に凄いのです。
一見、ビカビカした派手な色づかいと奇抜なデザインの家具や照明は、単体でも大きな存在感をもっています。
そのため、どこかのクラブでないと収まりがつかない、落ち着きのない空間を生み出しそうに感じます。
ですが、そんなことはありません。
奇抜なデザインのイスは、その滑らかな形で見ていると落ち着きを感じます。
派手な色使いをされた照明は、実に柔らかな光を発して、周囲をやさしく照らします。
奇抜で、大胆なデザインと色使いがじつに見事に調和しているのです。

強烈な個性をもちながら、その個性を統一する世界観をもつパントン。
パントンは、「デザイン界のピカソ」というあだ名もつけられたようですが、そんな必要はいっさいない、と感じました。
それほど、豊かで個性的な才能をもったアーティストだと思います。

<靴下は確認して>
「ヴェルナー・パントン」展のメインとなる「ヴィジョナ2」を再現する会場は土足厳禁です。
私は、このことを知らずに当日、穴の開いた靴下を履いていってしまいました。。。orz
そのため、靴下の穴が気にしなってしまい、気もそぞろ。
展覧会に集中できませんでした。

もしも足を運ばれる方は、私のようなことがないように、しっかりと靴下を確認してから会場へ足をお運びください。

【会場情報】
◆東京オペラシティ-ヴェルナー・パントン展
http://www.operacity.jp/ag/exh111/index.html
◆TAB-「ヴェルナー・パントン」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/E961

【作家情報】
◆ヴェルナー・パントン(Verner Panton)
・hhstyle.com-デザイナー_Verner Panton

【次の予定】
◆「ラグジュアリー:ファッションの欲望」展 @東京都現代美術館
http://www.kci.or.jp/exhibitions/luxury/
◆TAB-「ラグジュアリー:ファッションの欲望」特別展示: 妹島和世による空間デザイン/ コム・デ・ギャルソン
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/4B1A