リーダーって何だ?

<状況対応リーダーシップを学ぶ>
2010/1/25(月)に第8回すくすくスクラムに参加しました。
今回のテーマは、「1人1人がリーダーだ!」ということで、スクラムチームにおいて、ひいてはスクラムを行う/行わない、にかかわらず組織においてのリーダーの振る舞い、を学ぶことが目的でした。
ちなみに、発表に使用されスライドは下記のURLから見られます。
http://www.slideshare.net/SukusukuScrum/no00801suc3rum20100125

この勉強会で学んだこと、そして思ったことは、

とるべきリーダーシップは、状況によって変わりうる
リーダーの立場をとる人が変わっても良い
リーダーと責任者は違う

ということです。

<レディネス・レベルを基準にとるべきリーダーシップを変化させる>
レディネス・レベルとは、ある課題を解決するためにどれほどの準備ができているか、というレベルをあらわすものです。
そして、レディネス・レベル、「意欲」と「能力」の2軸によって、以下のように判定されます。

レベル1:「意欲」が低く、「能力」が低い
レベル2:「意欲」が高く、「能力」が低い
レベル3:「意欲」が低く、「能力」が高い
レベル4:「意欲」が高い、「能力」が高い

このレベルが高いほど、課題を解決するための準備ができており、課題解決の可能性も高いといえます。
リーダーシップは、このレディネス・レベルによって変化させる必要がある、と状況対応リーダーシップは考えます。
すなわち、

レベル1:「意欲」が低く、「能力」が低いチームにたいしては、教示的なかかわり
レベル2:「意欲」が高く、「能力」が低いチームにたいしては、説得的なかかわり
レベル3:「意欲」が低く、「能力」が高いチームにたいしては、参加的なかかわり
レベル4:「意欲」が高い、「能力」が高いチームにたいしては、委任的なかかわり

とリーダーシップのとり方を変化させる必要があるということです。

教示的なかかわり方とはなにか、という細かい説明は、上記に紹介したURLでスライドを見ていただくこととして、重要なことは、チームの状況いかんによってリーダシップを変化させる必要がある、ということです。
リーダーというと、カリスマ性を持ち、確固たる信念を持ち、一貫性のある姿、行動を想像させます。
しかし、状況対応リーダーシップにおいては、一貫性のある姿や行動ではなく、チームの状況に合わせて振る舞いを変えることのできる柔軟性を求めています。

自らの価値や考えを明確に打ち出し「俺について来い」というリーダーシップ。
自らの意思や欲望を抑え「あなたたちを信頼して任せるよ」というリーダーシップ。

どちからといえば、後者の相手に権限や行動を委任する、というリーダーの方が人間的にも、成熟している印象があり、人間的にも優れていると感じます。
しかし、そのようなかかわり方しかできないと、レディネス・レベルがレベル1のチームには良い影響を与えません。
優れたリーダーシップは、チームの状況に合わせて、自らのスタイルを適切に変化させられる、柔軟性をもっているのです。

<リーダーの立場になる人は変わっても良い>
発揮すべきリーダーシップが、チームの状況に変わる、という考え方を少し推し進めると、「状況の変化に応じてリーダになる人が変わっても良いのではないか」という考えが生まれてきます。
状況に応じてリーダーそのものを変えてしまう、という考え方は、欧米の企業の取締役会が、自分たちの解決すべき課題を洗い出し、それに適任の人物をCEOとして向かえいれる、という習慣に似ています。
つまり、リーダーを、その人の「能力」に注目して選択しているのです。もちろん、「意欲」が高いということも前提にしているかもしれません。

しかし、リーダーをこうして選択する方法が、はたして良い結果を生むのか、という疑問はあります。
会社ひとつをとっても、1年間だけで噴出してくる問題は多岐にわたります。
そのたびに会社のトップである社長を交代したり、部の管理責任者である部長を変更したり、と組織をいじってしまうと組織に安定感がなくなってしまいます。
ようるするに、現実的ではありません。
また、上記のように招かれたCEOが実力を発揮し、突出した成果を残した、という話はあまり聞きません。

しかし、私が所属している開発チームにおいては、リーダーの立場になる人は状況において変わる、ということを体験することがあります。
たとえば、

お客様と話すときは交渉や機転が利く○○さんが中心に対策を立てよう
この業務においては、そこに詳しい○○くんの考えを中心に仕様を決めよう
結合テストは、全体的な業務と仕様にくわしい○○さんを中心に運営しよう

というように、チーム内ので作業フェーズや求められる能力によって、中心となる人物が違います。
このことは、リーダーを状況によって変化させている、と捉えてもよいと思います。

また、仕事じゃなく、趣味を考えると、状況によってリーダーが変わる、ということが一般的である、とすら思えます。
たとえば、私の職場には自転車に詳しい人、筋トレに詳しい人、秋葉原事情に詳しい人、PCに詳しい人、音楽に詳しい人、などいろいろな趣味をもった人がいます。
こうした人たちは、その人たちの周囲に大きな影響を与えています。
たとえば、自転車を買おう、と考えれば、自転車に詳しい人に話を聞きに行きます。
上京してきた友人を秋葉原観光に連れてゆこう、と考えれば、秋葉原事情に詳しい人に話を聞きに行きます。
そして、大半の人はその人たちの話を聞いた結果、その善意のアドバイスにしたがって行動するでしょう。
このようなことを続けてゆくと、ある集団において、アドバイスをし続けた人たちは、必然的にその分野において周囲に大きな影響を持つことになります。

教えを請うという状態の人、すなわちレディネス・レベルがレベル1ないしはレベル2の人にたいして、影響を及ぼしているわけですから、そのリーダーシップは、教示的ないしは説得的なものです。
そのため、リーダーシップの種類として、参加的、委任的な態度は含まれていないことになります。
しかし、集団においてある「能力」が不足している状態で、それを補完する優れた「能力」をもつ人が、その状況下で集団に大きな影響を及ぼし始める、というのは、状況対応リーダーシップについての事例のひとつになりうると思います。

<リーダーはリードする、責任者は責任を負う>
状況対応リーダーシップを発揮する人をリーダーというとき、それは人や集団をミスリードする、という可能性を含んでいません。
どのような態度をとっていようとも、リーダーは人や集団を良い方向に導いています。

しかし、ミスリードを行う可能性をリーダー持っているのであれば、リーダーはある状況下で人や集団にたいして一番、影響力をもっている人、と定義できます。
こうしたとき、会社だと課長や部長、そして、社長なども立派にリーダーといえます。
そのような地位にある人たちは、自らの部下と自ら統括している組織が抱える仕事に大きな影響力を持っています。
程度の差はありますが、組織内で人を好きに動かすことができますし、仕事の割り振りについても裁量を持ちます。
とはいえ、そのような立場にある人たちが一様に、リーダーとして周囲に受け入れられているワケではありません。
むしろ、ハゲ課長、バカ部長などと、バカにされていることのほうが多いように思います。

なぜなら、ハゲ課長やバカ部長は、その人にとって単なる組織の責任者に過ぎないからです。
部長や課長という役職をもつ人は、単にそれだけでは、遅刻・欠勤の際に連絡する人、経費清算の際に書類にサインをもらう人、休みの許可を申請する人、でしかないのです。
部下や周囲の人たちから見て、周囲に良い影響を与えていない責任者は、単なる責任者でしかありません。
むしろ、その単なる責任者が、自分の力や立場を勘違いして傍若無人な振る舞いをとると、嫌なやつだとみなされ、ハゲ、バカ、扱いになるのです。

しかし、責任者は、組織としていなければいけない存在でもあります。
責任者がいないと、誰に遅刻や欠勤の理由を伝えるのかも、経費申請をすべきなのかも、わからなくなります。
そして、従来、組織の責任者は、同時にリーダーであることも求められました。
しかし、こうした周囲の期待に責任者が応えるのは、容易なことではありません。
上記のように状況は容易に変化し、チームの「能力」と「意欲」は常に変化するからです。
このときに、責任者は自らのリーダシップを変化させて対応せねばなりませんが、多種多様なリーダーシップをとることは大変むずかしいことです。。

こうした状況下での正解は、リーダーシップを発揮すべき人を他に任命し、責任者は自らの立場と範囲において責任を取る、というものになるのではないでしょうか。
確かにそのようなことをすると、責任者は完全にまな板の上の鯉状態になります。
結果を出すべきチームのハンドリングを他の人に任せてしまい、責任者自らはその成否の責任だけとるわけですから、割に合わないとすらいえます。
しかし、責任者が冷静に判断すべきです。
つまり、自分で権限をもち続けて失敗するか。
それとも、自分の権限をリーダーとなるべき人に、役職も立場も関係なく委譲し、成功することにかけるか。

リーダーシップというと、役職や地位を伴っている人たちにもとめられるものでした。
それゆえに、リーダーとは役職つきの人たちのことを指すことが当然のものともされてきたと思います。
しかし、ある状況下で、人や集団に大きな影響を与える人をリーダーと呼ぶのあれば、その集団にいる人々たちすべてがリーダーになりえます。
重要なことは、そうしたリーダーが入れ替わってゆく状況をいかに受け入れる体制を作れるか、ということではないでしょうか。
組織における責任者は、肩書きどおりに振舞うことに固執しすぎて、状況や現場が生み出すリーダーたちをつぶしてはいけないのだと思います。
むしろ、そうしたリーダーをバックアップすることで、良い組織が出来上がってゆくのではないでしょうか。
少し理想論が過ぎると思います。
しかし、一人の万能型のリーダーが組織を引っ張り続けられる、と考えるよりは、むしろ現実的なものであると私は思っています。

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