Archive for 2011年7月

大人たちのドヤ顔カンファレンスになってほしいと思った@Visionaries Summit

7月 29, 2011

今日、Visionaries Summit2011というイベントに参加してきた。
基調講演で中島聡さん、そして、及川卓也さんのお話を聞いただけで帰ってきたのだけれども、非常に印象深い話だった。

中島さんは自身の経験とビジネスの観点から、及川さんは開発プロセスと技術的な観点からと、話している素材は違ったのだけれども、「エンジニアは自分自身のビジョンをもって行動することが重要である」という1つの点において同じだった。

及川さんがいっていた「人生は一度きりしかない」という言葉は使い古されているけれど、これを実感している人はそれほど多くないと思う。

僕が初めて実感したのは、先の3月11日の大震災だったと思う。
これまで、祖父母や父など近しい人間の死をみとってきてもなかなか実感することのなかった感覚をあの大震災はしっかりと僕に実感させた。

地震の経験を機に「自分はどうなりたいんだろう」という疑問とその時までよりは真剣に向き合うようになり、新しいこと、新しい働き場所を求めて転職活動を始めた。

格好つければ、自分なりのビジョンを考える、ということに真剣に取り組み、その結果、行動を起こした、といえるだろう。

お金持ちでもなければ、なにかすごいプロダクトを作っているわけでもない僕が言うのは、完全に過言だとは思うのだけれども、お金も技術力も手段でしかない。

それは、「エンジニアとして自由には携わるコトを選べる」という自由を手にする手段だと思う。

お金がなければ気に入らない職場をやめたりすることはできないし、理想の開発環境を作れずにストレスを抱えてながら開発することになる。

中島さんは、「カンファレンスに来たら営業しろ、たとえ、今の会社が好きでバリバリ仕事をしていてもだ」というようなことをいっていた。

自分のエンジニア個人としての営業活動することは、人見知りかどうか以前に難しい。

自分がなにをしているのか、自分が何が出来るのか、どのようなことがしたいのか、そのようなことが話すことが必要だからだ。

これはその場の思いつきで話せるようなことではなく、まさに大事の前の小事、常日頃から考えておかないとできない。

そして、考えていることを実践しなければならないからだ。

ビジョン、という言葉は抽象的でわかりにくい。
何やら高尚だし、格好つけた気の利いた一文でなければないような気がする。

もっと単純に、「一度きりしかない人生で今やりたいことなんだろう」と考えてもいいと思う。
ただ、やりたいことを見つけるのも難しい。

なにも考えず、システム開発の世界に入ってきた僕には、入社当時にはやりたいことなどなにもなかった。

提案できるひとつの方法は、「現状にたいする一番の不満はなんだろう」と考えてみることではないだろうか。
現状への不満と失望は、理想にたいする現状のギャップから生まれる。

だから、自分にとっての「理想とはなんだろう」と考えることのヒントになると思う。

僕が転職した理由は、理想に近づくためにという格好のいいものだけではなかった。

満員電車にのりたくない。
後輩を中心に周囲の人たちがドンドンと辞めていっている。
会社が発展してゆく姿が見えない。

ネガティブな感情、格好悪い理由は理想よりもいくらでも並べることが出来る。

なにより耐え難かったギャップは、「自分が作りたい!」と思ったものが作り出せない、という自身の知識と技術のなさだった。

技術をろくに知らないから優れた設計もできず、優れた設計ができないために良い技術を活かすことができない。
会社や社会を発展させるよりも、ダメージを与えてしまう。

そんなエンジニア像が浮かんでしまったのだ。

だからこそ、こんな自分でもプログラミングに携わり、つくることに携われる会社に行きたいと思ったのだ。

そして、すこしは理想に近づいていることを実感している。

思い立ったら即行動、というのは、1度目の転職のタイミングを逃した、と言っていた及川さんの言葉だったと思う。

ということで、思い立ったら即行動。
僕は、短期間で転職した。
で、今度は、思いつきのままブログを書いてみた。

最後に、VisionariesSammitというのはイベントタイトルに惹かれるものがあった。

個人的には大人たちが、「これをやりたい、これをやる、これをやっている」というビジョンに基づいた経験を、ドヤ顔でかってくれるカンファレンスになってくれると面白いだろうな、とおもう。

実際に、基調講演は中島さんと及川さんのそんなお話だったように思う。
そして、大人たちがビジョンややっていることをいきいきと語る場はなかなかないと思う。

だからこそ、そんな場になってくれるとうれしいな、と思った。

toggeter #visiosumi
http://togetter.com/li/167842

ビールがなければお菓子をたべればいいじゃない、とおもった@すくすくScrum

7月 27, 2011

昨晩、すくすくScrumに参加してきた。
テーマがファシリテーション入門だった。

発表資料が非常が膨大で、途中、細かい説明が飛ばし飛ばしになってしまったのがもったいないなと思いながら聞いていた。

今回行われたワークショップは、旅行の計画をたてるというものだった。
各々どこに行きたいかを話して、最終的に1つの場所に絞るというものだった。

合計で2回の計画を行い、各々が行先に満足したか、というアンケートをとるものだった。

僕が参加したチームは、協力的な人たちばかりだったうえに、2回共に提案された1つの行先が魅力的だったため、すぐに行先に合意できた上に満足度も高かった。

そのようになった要因は、
・議論の前提を作ったこと
そして、
・その前提にチームが合意できたこと
だと思う。

最初に僕らが決めた行先は「月」だった。
その時に合意した前提は、「自分たちが立ち上げた会社がIPOに成功して、億万長者になったらどこにゆくか」というものだった。

億万長者なったら、お金もあり、時間もある。
だからこそ、チームの全員が「月」という荒唐無稽な目的地に合意できた。

たとえば、今度の夏休みとか、今の仕事をしながらとか、そのような前提にたっていたら、この目的地に決まることはありえない。

2回目に決めた行き先は「シリコンバレー」だった。
これは、「チーム全員が開発者である」というチームのコンテキストを踏まえて、「このチームで行くならどうするか」、という前提をたてたことによって、合意できた目的地だ。

1回目との違いは、自分たちのコンテキストを意識した点だ。

1回目に話してきた感覚から、「みんな、シリコンバレーでの躍進中の企業の見学したいと思うだろう」という推測があっての提案だっと思う。

これは僕たちのチームが開発者が多く、シリコンバレーの動向に興味をもっている人が多い、というチームの背景を感じ取った結果でもあると思う。

そのうえで、「このチームで行くならば」という前提にたって、提案したからこそスムーズに行先に合意できたのだと思う。

たとえば、同じチームの人が言っていたのだけれども、前提が「家族で行く場所」だったら、おそらく合意にはいたらなかったはずだ。

「僕たちチームで行く」という前提に合意し、では僕たちチームの共通の興味や価値を感じる部分は何か、というチームのコンテキストに注目した提案がなされた結果、すんなりと合意できたのだ。

ファシリテーションというのは、合意形成を手助けしてくれるものでもあると思うのだけれど、今回の僕らのチームは合意形成のための仕組み、というのを必要としなかった。

それだけ価値観が近い人達が集まったチームだったのかもしれない。

最後に、本編が終わったあとにスイーツバッシュを行った。
これは、会場の都合上、ビアバッシュのかわりに行ったものだ。

でも、これが個人的にはかなりいいと思った。
お酒が入らないので、必要以上にうるさくないし、話した内容も翌日まで細かく記憶している。
なおかつ、翌日が辛くない。

勉強会後の懇親会でお酒を飲むのは楽しい。
でも、ちょっと疲れてしまうこともある。

スイーツバッシュでは、ソフトドリンクを飲みながら甘いお菓子を食べたのだけれど、疲れがとれて行く感覚だった。

辛党の人にはあまり嬉しくない催しかもしれないけれど、甘いお菓子を食べながら学びについて意見を交換する、という場はお酒を入れた懇親会とは違った魅力がある。

かなりお勧めしたい。

カルチャーショックを受けてたくさんの学びを得た@WACATE

7月 10, 2011

 すでに2011/7/1から新しい職場に出社し始めた。
結構なカルチャーショックをうけつつ、楽しんでいる。

 カルチャーショックについても書いてみたいとおもったのだけれど、新しい職場の前に味わったもう1つのカルチャーショックについて書きたい。

 もう1つのカルチャーショックを受けた場所、それは、WACATEというテストエンジニアが集う合宿形式の活動だ。

 WACATEについての詳しい情報は、下記のURLを参照してほしい。
 http://wacate.jp/

 もともとテストは関心ごとの1つだったこと、まえまえからWACATEの活動を知っていて、合宿形式というのも面白そうだな、と興味を持っていたこともあり、今回参加することにした。

 WACATEに参加して、ワークショップを中心として非常によく準備されていること、ホスピタリティの高さに感心させられた。

 いままで有料のセミナーやカンファレンスに参加してきたけれども、(おそらく)実費のみの料金で参加できるワークショップとしては、群を抜いた質の高さだった。

 それだけスタッフさんには負荷がかかっていると思うので、感謝すると同時に頭がさがる思いだ。
スタッフの皆様、どうもありがとうございました。

<心地のよい身内感>

 沿革をみるとWACATEは活動をはじめて、4年目らしい。
 当然、それだけ長く続く活動であるならば、顔見知りも増える。

 そうなると出てくるのは、身内感だ。

 勉強会などに参加していると、開催する側としても参加する側としても避けたいのはへんな身内感があることだ。
 へんな身内感を定義するのは難しいけれど、参加する側はその集まりの独特な文化に壁を感じて参加しづらくなり、開催する側としては、新しい人が参加しづらくなることで過疎化してしまう、という厄介な問題を抱えることになる。

 なので一度は、「身内感をなくしたい」とか思うわけだが、これは全くムダな努力に終わりがち。

 WACATEはその身内感とうまく付き合っていると思った。

 その一つとして、ちゃんと挨拶するワークが用意されていることだ。
 それも2回。

 たいていは、ワークショップのはじめにアイスブレイクとして自己紹介なんかをするのだけれども、大抵、1回でおしまいだ。
 WACATEでは最初にワークショップを一緒にやるメンバーとは別の人たちと自己紹介を行い、さらにワークショップを一緒にやるメンバーの人たちとも自己紹介を行った。

 しかも、メンバーの参加回数なども考慮されていて、複数回参加のベテランと僕のような初心者がしっかりと混ざるようになっていた。
 参加する側は「結構考えているなぁ」と思うだけだけど、たぶん、これはやるとすごっく大変だと思う。
 個人が何回参加したか、そもそもそんな情報管理しているのが稀じゃないだろうか。
 その情報を使っても、50名ちかくもグループ分けするのは、考えるよりは大変なはずだ。

 夜の宴会もスタッフさんが出し物をするなど、参加者を徹底的に楽しませようという心遣いがあった。
 分科会という夜のイベントでは、終始ベテランの奥村さん(という方だったと思う)ファシリテーターとして参加者が話しやすい雰囲気を作ってくれる。

 徹底的に一人にしない、巻身内として取り込んでしまう巻き込み力。
 
 素直に関心して、脱帽した。

<しっかりとワークショップ>

 最初の項を長く書きすぎた。
 時間がなので以降は簡単に。

 ワークショップを2日間やるというのは非常に良い。
 大抵の勉強会でもワークショップは、30分、多くても1時間程度だ。
 
 それが2日間となると、相当、体力を消耗する。
 でも、体力を消耗を伴う学習での気づきは非常に多い。

 今回、ぼくにとっては未知の世界であるインシデントレポートを作成する、というワークショップに取り組んだが、非常に沢山のこと学ぶことができた。

 ワークショップの面白さは、学習の対象について学ぶのとは別に、チームビルディングについても学習できることだ。

 今回のワークショップでは、不遜ながらリーダーをやったのだけれども、チームのパフォーマンスを引き出す、というまでには至らなかった。

 チームのパフォーマンスを引き出すことのすべてがリーダーの役割というわけでもないのだろうけれども、経験豊かな人たちが集まったにもかかわらず、成果が出せなかったことは悔しい。

 優れた成果は良いチームとチームワークから生まれる。

 今回、最優秀(だったかな)の成果を出したチームはやはり良いチームだったのだと思うし、リーダーが良い仕事をしたのだと思う。

<ベテランのエンジニアが参加している>

 WACATEにはベテランもしっかり参加している。

 しかも、上から諭す、というのではなく、ちゃんとワークショップに参加している。
 それが素晴らしい。

 ベテランといわれる年になるとなかなか、勉強もしなくなるイメージがある。
 また、時間も確保しづらくもあるだろう。

 そうした人たちが2日間もの時間を使って参加してくれる勉強会などあまり見かけない。

 そもそも大規模なカンファレンスでも、発表者としては良く見かけても参加者として見かけるのは稀な印象がある。(僕が参加しているものが偏っているとは思うけど)

 WACATEという名前ではあるけれども、若い人達がだけが集まってるのではなく、ベテランも同じ目線におりて協力している。

 主催側にベテランと言われる人たちが協力して、若手を育てる場をつくっているコミュニティって結構、数少ない貴重な存在じゃないだろうか。

<Web系のエンジニアが少ない>

 これはかなり意外だった。
 組込み系、ハードウェアに近い人が多いのはなんとく予想はしていた。

 とはいえ、Web系のサービスや業務システムを作っている人にはほとんどお会いできなかった。
 Web系の人はあまりテストに感心がないのだろうか。

 Web部会という取り組みがあるようなので、そちらに時間を作って参加してみたい。
 個人的に、セキュリティに関するテストってどうやるのか、というのは解消したい1つの疑問だ。
 
以上、つらつらとだけど、WACATEでカルチャーショックをうけたことを書いてみた。

 なによりテストエンジニアの人たちと話していると、YAGNIの感覚の違いに戸惑うことが多かった。
 僕なんかは「一応、必要かも」と思う点はバッサリと切りたくなってしまう。
 でも、テストエンジニアの人たちは「念のためやっておく」という選択をされることが多かったと思う。

 どちらが正しいというのではなく、価値の置き方の違いだと思う。
こうした違いを含めて、感覚の違いを共有してゆくことが、開発の現場では必要になるんじゃないか、と思った。

 やはり知り合いの少ない場所に行くと居心地は悪いのだけれど、それ以上に新たな発見が多くて面白い。

 また機会を作って参加してみたい、とおもう。