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ビジュアル・コンプレキシティのChapter3を読んでおくといろいろ捗るかも、というはなし。

2月 2, 2014

マニュエル・リマ氏が来日するのですこしでも活かすため事前勉強会を開催した。
この勉強会で、「ビジュアル・コンプレキシティについて理解するには、『ビジュアル・コンプレキシティ』のChapter3にはネットワーク・ビジュアライゼーションについて読むと良いんじゃないか」とアドバイスをいただいたので、再読をした。

たしかに、Chapter3には、

  • 関連する手法と技術
  • 5つの機能
  • 実現するための8つの原則

がまとってまっていて、とくに8つの原則は実践的な内容なので、「どうやって活かすの?」という疑問を持つ人にはおすすめの内容だ。

しっかり読んでも1時間程度なので、読んでおくとビジュアル・コンプレキシティに通底している、ネットワーク・ビジュアライゼーションについて整理することができる。
詳しい内容は本を読むのが一番なので、ざっと要点を引用して紹介する。

関連する手法と技術

ネットワーク・ビジュアライゼーションはさらに大きなくくりとしてネットワーク表現の領域に収まり、研究されている。
そして、ネットワーク表現はおおきくネットワーク・ビジュアライゼーションのほかに、グラフの描写について研究されている。
ネットワーク・ビジュアライゼーションにはグラフ理論、コンピュータグラフィックス、地図製作法が大きな影響を及ぼした。

今日のネットワーク表現は、一般に(グラフ理論に則した)グラフの描写と(情報の可視化に則した)ネットワーク・ビジュアライゼーションの2つの領域で研究が行われている。
p.79

ネットワーク・ビジュアライゼーションに大きく影響を与えたものには、グラフ理論と近年のコンピュータグラフィックの成果のほかに、地図製作ある。(原文ママ)
p.79

ネットワーク・ビジュアライゼーションがもつ5つの機能

ネットワーク・ビジュアライゼーションは、5つの機能を備えることにより、人々との知的好奇心を刺激し、ビジュアルを通じて情報の処理や理解をたすけ、発見を導くことができる。
またビジュアルが新たな研究へ展開するきっかけとして作用することをも期待されている。

では、ネットワーク・ビジュアライゼーション固有の目的は何なのか? 複雑なものの表現は、以下の「記録」「明確化」「表面化」「拡張」「抽象化」という主要な5つの機能によって実現される。
p.80

ネットワーク・ビジュアライゼーションを実践するための8つの原則

8つ原則はいかのとおり。
事前の勉強会でも「そもそもビジュアライゼーションをするプロセスが謎だよね。」などと話していたのだけど、しっかりヒントは本に載っていたのだった。

  1. 質問から開始する
  2. 関連性を探す
  3. 多変量解析を可能にする
  4. 時間を含める
  5. 語彙を豊かにする
  6. グループ分けを顕在化する
  7. 拡大縮小を活用する
  8. 複雑さを管理する

インフォグラフィックは、作成者が説明したいことを閲覧者の理解してもらうのが目的で作られる。
なので、「この図ではこういうことが表現したい」という、作成者の目的が定まっている、という前提がある。

しかし、ビジュアル・コンプレキシティの中で紹介される図は、動的なインタラクションができないためか、「なにを表現したいのだろう」と思わせる図が多い。
そのため、図を作成するときの目的が、「単純に見た目の美しさ、視覚的な快が目的なのか」「なにか発見があったらいいな、という漠然とした目的なのか」という疑問を抱かされる。
とくに、見た目が幻想的な図は、作成意図もまた神秘のヴェールに包まれて徐々にはっきりしてくる、というプロセスをたどるのか、という疑問があった。

上記の8つの原則を見ると、やはり図を作成には目的ありき、であることがわかる。

以上、ざっとChaper3を読んだ結果を引用を含めてまとめた。

最終的に「ネットワーク・ビジュアライゼーションとビジュアル・コンプレキシティの違いってなんだろう?」というのが新たな疑問がうまれた。
また、図を見て発見がある、という経験をすることがあるけど、作成者が故意に閲覧者に発見を促すことは可能だろうか。
ようるすに「発見」を促すためのネットワーク・ビジュアライゼーションの開発のプロセスというのは存在するのか、またそのプロセスというのはどういうものなのか、が疑問としてのこった。