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根津美術館で清涼な雰囲気と陶磁器を楽しむ

1月 31, 2010

<趣のある清涼な雰囲気をもつ美術館>
2010/1/30(土)に表参道にある根津美術館へ行きました。
根津美術館は、初代・根津嘉一郎が蒐集したコレクションを保存し、展示する美術館です。
初代ということは、二代目・根津嘉一郎という方もおりまして、この方が初代の志をついで根津美術館を開館しました。
日本において、第二次世界大戦以前から存在するという美術館は非常にめずらしいらしく、根津美術館はそのひとつに数えられます。

この根津美術館、実は2006年5月から先年の2009年10月まで、3年以上の改装中でした。
そして、改装が終了してからは新創記念特別を開催しています。
昨日はその第3回にあたる、「陶磁器ふたつの愉楽」展にいってきました。

通常、陶器や茶器、仏像などの古典的なテーマを中心とした展覧会というのは、おば様たちが大変多く、会場内はとても騒がしくなります。
この「陶磁器ふたつの愉楽」展も、会場内はおば様たちの話し声がガヤガヤとやかましかったです。
また、1階フロアに展示されている数体の仏像は、時間帯の関係もあるとは思いますが、逆光を浴びてしまいとても鑑賞しづらかったです。
しかし、こうした減点要素を補って余りある、魅力が根津美術館にはあります。

私が根津美術館の存在を知ったのは、改装に入った後でした。
そのため、今回、初めて根津美術館を訪れたのですが、その外観と庭の美しさと空気感のすばらしさに見せられてしまいました。
よく手入れが行き届いている庭に、都会とは思えないほど雑踏の音が届かず静かです。
冬の時期なので、空気も澄んでいて清涼な雰囲気が味わえます。

手入れの行き届いた大きな木が日の光を浴びて、輝く姿。おそらく離れとして使われていた小さな平屋。可愛らしい小船。こんな小道をもありました。そして、お堂。
いかがでしょうか。
写真では表現しきれていませんが、都内の美術館とは思えない、物静かで素敵な雰囲気です。

漫画的で可愛らしい長沢芦雪の『犬図』>
さて、展示内容の紹介です。
私の印象にのこっているのは、長沢芦雪の『犬図』という作品です。
長沢芦雪は、江戸時代の絵師で、かの有名な円山応挙の弟子であったといわれています。

江戸時代、円山応挙の弟子が墨で描いた作品、と聞くと静かで、歴史を感じさせる重々しい作品を、普通は想像すると思います。
しかし、芦雪の『犬図』はまったく正反対です。
その名のとおり、数匹の犬が主題で、その犬たちが戯れている図を描いたものです。
犬が戯れているという構図も微笑ましいのですが、描かれた犬の姿がなんとも可愛らしいのです。
犬たちの姿が写実的でなく、ちょうど今の漫画のようなデフォルメがされていて、「江戸時代の絵師でこんな絵を描く人がいたのか!?」と意外に思うと同時に、犬の可愛らしさに思わずニヤけてしまいました。

<マイアートは祥瑞瑠璃釉瓢形徳利>
せっかく、陶磁器がテーマなので、陶磁器の作品も紹介したいと思います。
今回のマイアートとしたいとも思ったのが、『祥瑞瑠璃釉瓢形徳利』です。
<しょうずい・るりいろゆう・ひさごがた・とっくり>と読みます。

高さ20センチ程度で、徳利としても普通の大きさだと思います。
ふかい瑠璃色と微妙にひしゃげている全体の姿がとても綺麗で愛らしい作品です。
日本酒は飲みませんが、この徳利から注がれた日本酒を飲んでみたい、と思いました。
とはいえ、徳利といっても本当にお酒を入れるのが用途なのか、というとちょっとわかりませんが。

ちなみに、祥瑞とは、中国の民の時代に景徳鎮窯という場所で焼かれた染付けの陶器のこといいます。ですので、ある名人が作った、というようなものではありません。
また、瑠璃釉とは、瑠璃色をした釉薬がかけられている、ということ意味しています。つまり、陶磁器の色を表しています。
ですので、上記の難しい名前の意味は、「景徳鎮窯で焼かれた瑠璃色をしている瓢(ひさご=ひょうたん)の形をした徳利」という意味になるようです。

名前は難しいですが、名前とは違い、その姿はシンプルで可愛らしい陶磁器です。

展覧会の内容もさることながら、美術館自体もとても素敵です。
古来から伝わる美、そして都会にいながらにして清涼な雰囲気を味わいたい方は、ぜひ根津美術館まで足を伸ばしてみてください。

【会場情報】
◆根津美術館
http://www.nezu-muse.or.jp/
◆TAB-「陶磁器ふたつの愉楽」
http://www.tokyoartbeat.com/event/2010/B63A

【作家情報】
◆長沢芦雪(Rosetsu Nagasawa)
“長沢芦雪”によるgoogleの画像検索結果 (※『犬図』は発見できませんでした)

【次の予定】
◆「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」展 @東京オペラシティ
http://www.operacity.jp/ag/exh114/
◆TAB-「エレメント 構造デザイナー セシル・バルモンドの世界」展
http://www.tokyoartbeat.com/event/2009/3B6D

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