Posts Tagged ‘鴻池朋子’

「インタートラベラー神話と遊ぶ人」で遊ぶ人

9月 13, 2009

<視覚と嗅覚を刺激する作品に酔った>

2009年9月5日(土)に、初台の東京オペラシティアートギャラリーで開催中の鴻池朋子さんの個展へ行きました。
個展のタイトルは「インタートラベラー神話と遊ぶ人」です。

会場の東京オペラシティは京王線・京王新線の初台駅の近くにあります。駅から直結の道で結ばれており、案内にしたがってゆけば迷うことなくたどり着けます。
私が会場についたのは開館時間11:00を少し過ぎたころでした。
開館時間から時間がたっていないためか、人影はまばらでした。
また、少し強い太陽の光がガラス張りになっている館内に降り注でおり、ゆったりとした開放感を感じました。

展覧会全体はタイトルに<神話と遊ぶ人>とあるとおり、遊び心のあふれる展示になっていました。
『隠れマウンテン』、『バージニア-束縛と解放の飛行』、『Earth Baby』など巨大な作品が空間を大きく使って展示され、作品の魅力をたっぷりと味わうことができます。

特に私の印象に残ったのは、『シリウスの曳船』など巨大な4つ絵画が四方に飾ってある小部屋です。
1~4章の連作となっている絵画群の魅力はもちろんのこと、それ以上にびっくりさせられたのは部屋の香りです。
小部屋の中心に数本のユリの花が活けてあり、その花が発する強い香りが部屋の中に漂っています。
香りが少々強いので、その場から離れたいのですが、巨大な絵をすべて視界に納めようとすると、どうしても部屋の中心から眺める必要があります。そのため、そのユリの香りから逃れられません。
そして、その香りをかぎながら一連の作品を見ていると、描かれている非現実的な世界が現実の世界に迫ってくるように感じられます。
まるで、香りが絵画とその小部屋という現実の空間の媒介を果たし、絵画と現実の世界をつなげているように感じられました。

美術作品というと、色彩や形によって視覚に訴える作品、音楽や言葉によって聴覚に訴える作品、さらにビデオ映像のように視覚と聴覚に訴える作品などが一般的だと思います。
しかし、絵画という視覚に訴える作品に、ユリの香りという嗅覚に訴える展示方法を味わったのは始めてでした。
ユリの花が置かれた正確な意図はわかりませんが、視覚と嗅覚に同時に訴えるという展示方法に感心させられると同時に、その展示方法が生み出した世界観に魅せられてしまいました。
また、このほかにも狭くて暗い通路を通ったり、低くつるされているカーテンの下を通ったりと、展示方法に遊び心があふれています。

展示会では、上記の作品以外にも遊び心のある作品、展示方法が随所に見られます。
そのため、会場には作家の世界観と遊び心が充満しています。
また、たくさんの人の作品が集まっている展覧会も面白いですが、一人の作家の世界にどっぷり浸かるという魅力が個展にはあります。
「インタートラベラー神話と遊ぶ人」では、鴻池朋子さんの世界にどっぷり浸かることができます。
皆さんもぜひ、鴻池朋子さんの遊び心あふれる世界に浸ってみてください。

<会場情報>
東京オペラシティ・アートギャラリー
〒 163-1403 東京都新宿区西新宿3-20-2
TEL 03-5353-0756
http://www.operacity.jp/ag/

<作家情報>
◆鴻池朋子(こうのいけ・ともこ)さん
以下で、数点の作品とインタビュー記事が読めます。

・MIZUMA ART GALLERY-アーティスト紹介
http://mizuma-art.co.jp/artist/0100/

・commonsphere.jp-インタビュー
http://commonsphere.jp/feature/interview/kounoike/01_01.php

・TOKYO ART BEAT-鴻池朋子 インタビュー(※movieです)
http://www.tokyoartbeat.com/tablog/entries.ja/2009/09/interview-tomokokounoike.html

<次の予定>
◆「原美術館コレクション」展
・原美術館
〒 140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
TEL 03-3445-0651
http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html

広告